お客さまからの問い合わせ | |
Q1:一般的な質問になってしまうのですが、先日ブレーキフルードを入れ、エアー抜きを行いました。 暫くした後ブレーキを握ると写真1までレバーが動きます。 2〜3回握りなおすと写真2の所で安定します。 また暫くすると、写真1に戻ってしまいます。 車体を動かしたり、揺すったり、プラハンでホースやキャリパーを軽く叩いて、2日後再度エアー抜きをしたのですが、変わりませんでした。 何が問題なのでしょうか・・・ A1:うーん・・・写真だけではいまいち原因の特定は出来ないのですが古いフルードのときは正常でグリップに当たる事は到底なく、今回実施したのはブレーキのホース内のフルードを1度全部抜いて、ブレーキの分解やフィツティングボルトは外していないというのですよね。 もし、そのような話であればエアーが抜けていない可能性が1番ありえるといえるでしょう。 頂いた写真のどちらもレバーがグリップに近いことからエア抜きが完全でないようにも見えるのです。 PITでレストアした車輌にフルードをいれエア抜き方法をレクチャーします
そこで3種類の方法をやってみます
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- | 操作方法 | 専用ツール | メリット | デメリット |
重力式 | マスターシリンダーのカップにフルードを入れ、ブレーキレバーを握り、キャリパーニップルを緩めエアーをこまめに抜き取る(繰り返し) | なし(ホースと空き缶程度) | ・専用ツールが不要 (M8メガネとホースのみで出来る) |
・エアーの残りが多い ・エア抜きに時間と根気を要する ・操作が複雑(コツがいる) |
吸引式 | マスターシリンダーへフルードを入れ、キャリパーニップルに装置を取り付け、負圧を注射器でつくり、ニップルを緩める(負圧があるうちは自動吸引) | ・古いフルードを一気に抜く時にも器具が役立つ ・単純で速い |
・新品のフルードもエアーが抜けるまで抜き取る必要がある ・マスターシリンダーカップ側のフルードがなくならないように目を配る必要がある。 |
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加圧式 | キャリパニップルにホースを取り付け、ホースにはフルードの入った注射器を取り付け、ニップルを緩めフルードを押し入れる | ・単純で速い ・必要分のフルードだけでよい ・1番エアーの混入が少なくできる方法 |
・勢い良く注入するとマスターシリンダーカップから飛び散ることがある ・カップを定期的にみないとカップから溢れる ホースが抜けホイル周りにフルードが飛び散ることがある |
原因 | 状況 | 対策 |
フルードが泡立っていた |
カップに注いだ時点でフルードに気泡が入ったままでエア抜きを行った。 時間が経つにつれ気泡が集まり、写真2だったものが写真1になった。 |
泡立たないよう注ぐ. 泡が消えてからポンピング又は吸引等を開始する |
何度もポンピングした結果、ホース内やキャリパー内で泡立ったフルードが振動が与えられたり、時間の経過で気泡が集まった | 静かにポンピングしホース内で気泡が出来にくくする | |
漏油がある | フルードの漏れが接続部にあり、時間経過や何度も握ることで写真1の状態になる | 漏油箇所の補修 |
どうしてもエアーが抜けない場合どうするか | |
マスターシリンダーカップのフタは開け、油面を少し下げる為、ティッシュなどに吸わせ、調整する。 一度キャリパーを車体から外し、ピストンを強制的に戻す。 するとマスターシリンダーのカップに気泡を含んだフルードが上がってくる。 気泡が引いたらピストンを出し、しばらくしたら再度押し込む。 繰り返せばほとんどエアーは抜ける。 |
エアー抜きした後ブレーキが引きずる |
重力式エア抜き後、車体が前に進まない? なんてことはないだろうか? ロールバック効果の原理を理解していれば不思議ではないのだか。 何度もブレーキレバーでポンピングし、フルードを押し出すうちに変形したキャリパーのピストンシールの変形が戻ってしまい。 ピストンは出っぱなしで戻らないことがあるのだ。 起きてしまったら仕方が無い。キャリパーを外しピストンを戻し、もう一度、数回ポンピングしてやると直る。 |