コンデンサーチューニング 
バッテリーにつなげるだけでバッテリーから供給する電圧を安定させ、電装品への負荷とロスを軽減し、ノイズも減らせ、トルクが上がる等といわれている商品について面白い話を複数聞いたので紹介したい。(商品名はここでは出さない方が良いと思われるため、あえて書きません)

2輪用も販売された商品の自動車向けのタイプを解体した人から聞いた情報ですが、その用品の大げさなアルミケースの中身は小さな基板にコンデンサーが2つ並列接続されているだけというシンプルなものだとか、シリコンコーティングなど耐振は考えられておらず壊れやすいらしい(輸入された時点で壊れている疑いもあるとも聞く)。 私が知る限り国内生産のコンデンサーはトランジスタと違いそんなに壊れるイメージはない。 単に並列にコンデンサーを置くのなら大きい静電容量のコンデンサーを1つ付けるとかバッテリーをもう一つ並列につなぐといった考え方でいいのでは? 理論的に考えてみよう。
並列接続の合成静電容量C〔F〕は
C=C1+C2
と単純な和となる。 左図の場合7270μFとなるわけだ。 じゃあ、はじめから7270μFくらいのコンデンサを1つつければいいのではないか? となる。 実際コンデンサーは充放電を繰り替えす性質を持つ。 目的は短時間で充電ができるものと少し時間がかかるものをつけることでバッテリーへの負担を減らしていると言いたいようだ。 しかし、点火タイミング、ブレーキタイミング、ウインカーを出すタイミングなど決まっていないし、電圧降下が放電のタイミングと合い補えるというのはまったくいえない。 確かにC分を加えるという行為は電力系統でも負荷が多い時間帯の電圧降下対策として用い、電圧を上げることができる。 メリットはある。しかし、負荷がかかっていない時は電圧が高くなる。 Gooseは走行時13V以上(キースイッチで測定)あることはご存知だろう。 効果を確認してみるとレスポンスアップ・ヘッドライト照度アップ燃焼効率向上と聞こえは良いが回路電圧を上げたことより電力が大きくなったと考えた方が良い。 照明は明るくなった分負担は増える。 プラグにもさらに高電圧がかかり寿命を短くする。 こういったことの裏返しのように聞こえる。当然だがコンデンサーが放電すると負荷となる。 その時はバッテリーのお荷物になることは間違いない。 電圧降下の根本的な解決策ではない。 どちらかというと電圧降下が発生しないよう電源線を太くしたり、端子の接触抵抗を減らす考え方の方が重要だろう。 
さらにもう一つ。 コンデンサーを使わず似た効果を得ようとした商品が出てきた。 実はそちらの方が興味はあった。 中身はというとノロジーのホットワイヤーと似たものが箱の中に入っていると考えてよい。 コンデンサーの容量の変わりにケーブルの巻数,長さを変えているようだ。 故障しにくいと言える。 そこに書かれている内容は
●迷走電流とその除去
確かに、閉回路を複数同時に作ったり、切り離したり繰り返し、迷走電流の発生は確実のあるだろう。 ダイオードなどで整流している訳でない。 バッテリーに戻ろうとする時バッテリーより小さいコンデンサー側に流れることで電圧降下を減らすことができるかもしれない。
●エンジン始動の向上
電圧降下の抑制とノイズ除去で電圧が安定するので始動性があがる。  とある。 確かにコンデンサーと同様の性質がある。
●レスポンスアップ●アイドリング安定●燃費向上●環境への配慮
これは上で書いたとおりだろう。 出力が安定すると言う面では確かに効果的
●原理
フィルター効果が余分なノイズをカット。 蓄電機能で迷走電流を一時的に蓄電し、電機が不足する時に不足分を補います。
メリットばかりではないもののデメリットの回避効果があるものと思えてきた。 しかし、ノイズ除去の目的ならなぜ安い端子と細い配線を使っている?導電率が悪そうだ。  販売員の説明から中の巻線、長さを変えることで低回転、高回転と効果が発揮できる部分を変えられ、さらに長い物と短い物を併用して使うと低回転と高回転のどちらも効果が発揮されるとのことだ...。カワサキ900Rでテストして2つ併用で1番効果が出たと言う...2つ...コンデンサーと同じ効果...なるほど。  効果は判るほどと力説していた。

お客さまの一人がすでに作って試されたそうです。 しかし、効果の確認は出来なかったそうです。 
頂きました。

お客さまより報告と問い合わせ
Q1:幕張に居る友人がPPS(商品名)を付けて劇的な変化を得たと言うので、どのような物なのかNETで検索致しました。 どうやらコンデンサチューンというものであると言う情報と自作可能であるという情報に辿り着き実際に作って装着してみましたので使用感を交えご報告させていただきます。端的に申しあげて、振動とエンジンノイズが低減、更にトルク曲線が全域で上方に移動した様な感覚になりました。発進時に気を抜いたクラッチミートをしてもスルスルッと出て行きますし、6th30km/hからでも街乗りでは充分な加速をしてくれるようになりました。  尤も、コンデンサを積む1週間前にSplitFireの蓄電式プラグケーブルに換装していまして、既にトルクの上昇は感じておりましたがこの時は『トルクが尖った』様な印象がありました。

今回、コンデンサを積んだことで『尖った』部分に肉が付いた別の言い方をすれば雪が降り積もって『全体容量が増した』...抽象的で恐縮です...感じになりました。

私の作成したものはhttp://www.geocities.jp/one_cylinder/goose/index.htmlに詳しく載せておりますが、静電容量16,740μFとかなり大容量なのですが、如何せん電機の素人が人マネで作成したもの。体感的なメリットは感じられて満足なのですが、電装系が弱い(?)と評判のSUZUKI車のこと、少々不安が無くもないと言ったところです。
電装系への(悪)影響について如何お考えでしょうか?
A1:新2号のようにエンジンチューンしていくとこういったものはまったく欲しいと思わないのが現状です。 でも、TrueBlueのバイトの子がPPSの説明を以前プロトの駐車場で行なっていたのを見たんだけど実際PPSの中身はとノロジーのホットワイヤーと同じで長ささえ判れば作れてしまう商品だったりする。 ノイズ除去や電圧降下の向上を目的としている割に端子が安っぽいので自作の方がさらに効果の高い物が作れる可能性がある。(暗記した知識を自慢げに話すバイトの子にはちょっとかわいそうなことを言ってしまったが私としては勉強になった)
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