250ccフロントフォーク OH・組立て |
ばらした感じはこんなです。 | |
10年も屋外保管だとメッキもはがれ錆が出てきます。 | |
今回OH依頼があった物はすでにオイル交換した後だったようです。 わりと綺麗ですが… | |
ダストシールを外すとこんなのです。 | |
根元のボルトを抜くのにフォークを万力に鋏むのが難しいです。 インナーチューブ側に何か枕(支え)を用意してやると良いです。 | |
シール類の打ち込みは350と同様インストローラー&スライディングハンマーが必要です。 | |
メスシリンダーでオイル量を測りフォークの中に入れます。1Lあると丁度1本で済むので良いですよ。 エア抜きして油面調整するのは350と同様なので省略します(写真を撮り忘れました) | |
右側が新品のスプリングです。 自由長が384mm程度。 依頼があったので交換しますがへたりはないようでした。 | |
250の正立の一番いやな部分がこの作業ですね。 キャップの開け閉めのコツは床が平らな面で雑巾や板などをフォークの下敷きにし右利きの場合、左手でキャップを垂直に押し、右手でインナーチューブを持ち上げながら回す方法かな?外す時は急に力が開放し、キャップが飛んでいく恐れがあるので注意してください。 手が痛い場合は軍手や皮手など使ってください。 |
ある店の車両のフォークOH(H19.4.24-26) | |
某有名店ステッカーが貼ってあるとガッカリしてしまうのだが例外は今までない。 オーナは乗って見えたのでOH前に試乗させていただいたがGooseの良さが判りにくい車体と言えよう。 お客さまから「今回はフロントフォーク周りだけ見てください」とのことだった。 スタンドすら簡単に上がらない車体だ…。 うーん。ステムまわりも見たいような見たくないような。 フォークの突き出しは無いのはまぁ、良くあることだ、しかし、力いっぱい締めたのだな。 ロングスピナーでないと外れない。 むちゃくちゃだ。 | |
インナーチューブの錆も多く出ている。 オーナーの意向でインナーチューブは変えられなかったので浮き出た錆を1つ1つデザインナイフで削り、その後1500番のペーパーで全体を磨いた。 縦線も出ているがオイルが上がってこないくらいには出来たと思う。 Vブロックに載せダイヤルゲージで歪み・曲がりを確認したが±0.01mm程度と以外に良い。 | |
もともと乗りっぱなしの人のようだが・・・ | |
ダストシールだがひび割れている。 ここまで酷いのはなかなか見ない。 オーナーの友人がさすがにこれではいけないと私を紹介したとのことだった。 | |
酷いな。 その他の言葉がない | |
1本分のオイルだが・・・真っ黒 フォークオイルはミッションオイルほど汚れたりはしないのだが傾けても透明度がない | |
アウターチューブ内だがオイルシール面も腐食が出ているます。 削り過ぎないように面だしし下の写真のように何とか使える状態へ | |
エンドボルトはヘキサゴンを挿した時にすでにグラグラ。 スクリューグラブに助けられた。 外してこの通り面が丸くなっている。 ボルトを追加注文。 | |
(H19.4.26) ボルトが入荷し、オイル交換も完了。 突き出しはマニュアル値7mm。 トルクもマニュアル値に従ったものとした。 これだけでもマシになったと思う。 フロント周りといっていたのでフロントブレーキの清掃でもしておこう。
しかし、ブレーキピストンの錆もフロントフォークインナーチューブも再メッキをした訳でも交換したわけでもないためほっておけばまた錆びる。(表面にオイルを塗布し伸ばしてあるが)オーナーのやる気しだいだ。 (H19.4.28)オーナーに説明。 この他プラグを変えたくらいだがすぐに効果が判るほどFフォークもエンジンの回転も良くなった。 だいぶ乗れるようになったが根本的なセッティングも出ていないし、リアリンクの動きとかおかしい。Rサスだけとは思っていない。 まずはブレーキから修理していくこととなる。お客さまと相談し行なっていく)あまりにも酷ければブレーキのページに書きます。 |
2008.12にOHしたフォーク | |
インナーチューブは錆び、曲がりもありボトムする部分は縦の線がついている。 外して押しても動きが悪いためインナーチューブを交換する | |
右側の抜いたオイルは濃い青でそれほど古くない。 OHしているかも?と思ったが、エンドボルトを外すとヘドロや固形物のような物が外したボルトに付いてきた。 | |
シール類は新しくは無い。 オイルだけ交換しているらしい。 | |
中はやはり酷く汚れがたまっている 全て洗浄 |
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新しいインナーチューブとシール類に取替え組み付ける | |
左側も・・・左右オイルの色が違う。 片方曲がっていて汚れが酷いという訳でもなさそうに見えるが・・・15S程度+添加剤プラスしてブレンドし入れておいた。 |
お客さまから頂いた情報
10年間オイルを交換しないとこんな色になっています。 スズキのSTDフォークオイル8番はサラダ油のような色です。 走行距離は 1.6万km。(中古で 0.7万kmで購入した車両なので確かではありませんが)だそうです。 左右高さも色も違いますね。 |
計測 | |
実測:左右共に382mm | |
実測:3点回転させ計測(平均) 右:0.04mm 左:0.02mm |
お客さまからの問い合わせ | ||||||||||||||||||||||||||||||
Q1:グース250の黒に乗っています、右左のフロントフォークが塗装がはげちゃいましたので交換しょうかと思っています(特に左がオイル漏れを一週間前から漏れ始めましたオイルシールのみ交換しようかと思いましたがこの際このサイトに聞いてからと思いまして。)金額を教えて頂ければ検討したいと思います。 A1:はい。 報告が遅れてすみません。 シール交換ですね。 まずスズキに注文する物(FOG.36)
スズキの8番が純正で入っています。 半透明の黄色だったはず。たぶん汚れて黒っぽくなっているはず。 STDでは柔らかすぎると思う方はカヤバの15Sあたりを試してみてください。 EPLやマイクロロンなど添加剤を加える人もいますね。 確かに効果はありますよ。 オイルを替えるだけでも。 さて交換時のポイントです。 <フロントフォークを車体から外す> ・基本はサービスマニュアルに従い、記録管理することです。次回交換時の比較データとなります。 ・ホークを外す前にフォークのキャップを緩めておきます(外してからでは固くアルミなのでなめる恐れがあります。 ・フロントホイルを外す前にブレーキキャリパは外し、アクスルシャフトも緩めておきます。 この時、三又やトップブリッジのボルトも軽く回るくらいに緩め、再度、軽く締めるとタイヤが外れた不安定な状態でステムに大きな力を加えなくてすみます。 ・フロントスタンドが無い場合、ジャッキアップで行います。 その場合、車体が垂直に立つようリアスタンドを使います。 サイドスタンドとジャッキアップは不安定なので緊急時以外は避けてください。 ジャッキはオイルタンク前方にかけますが丁度出っ張りのある部分の前あたりが目安です(エンジンを降ろすときはオイルタンクの真下)。 リアが浮くようならシートに古タイヤなど重しをかけます。 <フロントフォークをOH> ・床が汚れてもいいところで行うか、新聞紙やビニールシート等を敷きます。 ・250の場合キャップにスプリングの圧力がかかっています。 キャップを脱着はインナーチューブを持ち押さえながら緩めるようにします。 もし押さえずにラチェットハンドルのよなもので最後まで緩めれば、シャンパンのコルクのように飛んでいくでしょう。 アルミなので大変危険です。 ・オイルを抜く前に スプリングは出してしまったほうが粗相しません。 オイルを抜く時傾きが大きくなってから勢いよくスプリングが出てくる場合があります。 ・抜いたオイルは1つのデータ。 汚れ具合を見ておきましょう。 ・フォーク底のストッパボルトを外します。これも固いのでオイルを出す前に軽く緩めると良いです。 ・ダストシールはマイナスドライバーでこじれば浮きます。 ストッパリングもそのマイナスで外してしまいましょう。 ストッパボルトを外すとシリンダーが抜けます。 ・しっかりオイルを抜いたら、インナーチューブとアウターチューブを持ち、ストロークの反動を使い引き抜きます。 万力は要りません。 ・ウエスで拭きながら傷を探します。 ・ガイドブッシュの表面はテフロン処理されています。傷付けないように。 ・シールの打ち込みはスライデングハンマーを用います。(特殊工具) オイルは規定位置にしておきましょう。 (油面高さ94.0mm特殊工具) ・オイルを入れてからのエア抜きが重要ストロークを5回以上繰り返し、少し放置。 その間にスプリングの自由長も計っておきます。 十分程度経って再度ストロークし、泡が出ない確認をしスプリングを入れます(正立はピッチが大きい方がしたです)。 ・ホークの突き出しは純正が7mmですが私は10mmで調整してます。 組む時の順は外す時の意味合いがわかれば問題ないですね。 |