それではうちの鵞鳥心臓をよろしくお願いします。
届きました。(H16.6.19夕方) カーボンが燃焼ではがれたのでしょうか一部ピストン表面が見えますが厚く付着しています。 表面はしっかり乾いてますし、ガスくさくない…10年間で体積したものだろうか、しかし、今まで見たものの中で1番といえる。 第三リングの油道もふさがれていたし、スカート部も若干の縦線が入っている。 とりあえずカーボンを落とし計測。 使える。 オイルが上がっているようなので以下のものは交換してもらうこととする。
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ヘッド部は艶はあるが乾いている。 送っていただいた写真は湿っているように見えるが…。 しかし、ここもすごく厚いカーボンがたまっていた。 カーボンが塊ではがれる。 バルブシートとバルブの間にカーボンの層が出来ており、確実に悪い燃焼をしている。 排気バルブが茶色く焼けている。 排気バルブと吸気バルブの距離は近いがシリンダーは大きくなると特に吸気バルブと排気バルブとでは温度差が生じるのは仕方がない。 しかし、カーボンを多く付着した排気バルブはなかなか冷えない。 こうなってくるとプラグが熱で焼ける切欠となる。 これもそうだろうか? バルブを抜くと泣きたくなった。 給排気バルブ共にはっきりわかるカーボンの付着と所々塊のカーボンがはがれた跡がある。 デトネーションがでてますね。運が良い人だ。 プラグを折らなかったら走行中にバルブが折れていたかもしれない。 タペットとか言っていたが他の音もしていたかもしれない。 うーん。今日は寝よう! | |||||||
シリンダーはさほどダメージはないが数本浅い溝が見える。 #1500軽くペーパーで水研きし、マシーン油をウエスに湿らせ水気を取ってから拭く |
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一夜明けて(H16.6.20)、夢でないことを認識しポート内のカーボン除去。 バルブ達も重い衣を取ってやる。 よし、これなら使える。 | |||||||
猫のえさを買いに行くという口実で休憩し問題の折れたプラグはずしです。 2極を折り、EPLを吹きかけながらドリルでプラブのねじ内径を広げると共に暖める。 この時点でドリルと一緒に回りだす場合もあるが、今回は断念。 熱のあるうちにリムバーをねじ込むこととした。 きれいに外れた。 が折れた面が傷を付けたか元が斜めに入ったかどうもプラグを挿すとガタがありプラグが起きた状態で入る。 やはりリコイルを使ってねじ山を修正することとした。プラグの入り口の形状も入りやすいように改良。 | |||||||
バルブの擦り合わせをし、動きが軽くなったことを確認。 あとは、ガスケット部の面だしを各部実施。 組むだけの状態にしました。 さて、ばらすのは簡単なのですが、そこそこ組むにはポイントがあるのでサービスマニュアルとエンジンのページを参照ください。 では良いエンジンに仕上げてくださいね。 |
その他受けていた質問など | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Q2:今日、ガスケットセットを注文してきました。(6.19) 他に、何か必要なものってありますかね? あっピストンリング注文してないッス。明日、注文してきます。 A2:はい。 それはそれはいっぱい! サービスマニュアルにも書いてあるように消耗品は取り替えますので下記に記しますね。
Q3:カーボン除去するとトルク特性が変わっちゃうと読んだり聞いたりしたんですが実際の所どうなんでしょうか。 A3:はい。 当然です! しかし、いかにノーマルに近づけるかというくらいで止めています。 ポート内のリューター使用は今回行っていません。 言ってみれば歯医者さんの歯石除去みたいなものです。 すでに蝕まれたエンジン。 今後も長く乗っていただけるよう配慮しました。 予備のエンジンを買った方と勘違いしました。お客さまからこれ1台しかない(普通はそうですね。Gooseオーナーに限っては私の意見に賛同し予備機を所持して見える方も多いですが) 他のご依頼より先に行って正解でしたね。 早速明日送ることにします。 うーん。前回はレギュレターが「お亡くなりになった」時はエンジン音を聞いて気にならなかったのですが…。 あのエンジンですかぁ…。 ということは大元の原因はここだったと…。 放熱できないため油音上昇→パルサーコイル不良。 吸気バルブがしっかり閉じない。高温→オーバーフロー… ありえるね。 |
さて集計。
作業内容 | 価格 |
プラグ除去 | サービスプライス500円 |
リコイル補修 | 3000円 |
カーボン除去 | 3000円 |
小計 | 6500円 |
Bolt shop | |
ガスケット,5.8×13×1.2 | 4個:280円 |
ガスケット,8.2×14×1 | 4個:200円 |
小計 | 480円 |
ゆうパック送料 | |
7.9kg:第一地帯 | 1010円 |
合計 | 7990円安っ! |
お客さまが中古で買われた時の状態を教えてくれました。 |
お客さま:不名誉なカーボン堆積1等賞を頂いたついでにデータになりますかどうか。 2003/03/28購入時の走行距離は6000キロ弱。 2003/04末にバイク便を一旦止めるまでに走行距離は約10000キロ。 その後、2003/10/3に走行距離16000キロあたりでバイク便に復帰。 以前見ていただいた時、2003/11/30は大体20000キロ越えるか越えないかの頃だったと思います。 今が大体39000キロだからあれから19000キロは走っている計算になりますか。 購入時から燃費走行がメインでしたからカーボンが積もるのもしょうがないのですかね。 最高燃費記録は40km/lでした。 房総半島ツーリングに行った時なので今年の4月半ばですね。 走行距離の8割は配送で走ってます。 kamo:見た感じではサーキットで使った感じは無かった。メーターは戻していないと考えるとキャブセッティングが濃い感じがする。 燃費走行ということであれば逆にカーボンがつかない乾いたセッティング(理想は完全燃焼)を維持することにある。 負圧キャブのノーマルセッティングでは焼きつかないように多少濃くセッティングされている。 プラグを見るとわかるのだがねじ表面・内面にカーボンが残るため、(気温・標高・湿度などに左右されるが)パイロット〜パーシャルあたりが少し濃い感じだろう。 碍子は薄茶色くらいに維持できるはず。 このセッティングは長時間・高回転維持という過酷な条件で設定しているだろうから、当然街乗りでエンジンが温まらないまま走行ことが多い場合には濃いのである。 だが、矛盾するかもしれないが、私はあのセッティングでよいと思う。 レース前にレーシングしてしっかりエンジンを温めてから走行するわけでない・季節や走行場所が変わるごとにセッティングを見直すわけではない方がほとんどであり、オールラウンドで焼きつきの心配が無いSTDセッティングがよくできていると感じるからです。 不名誉とおっしゃられますが切欠はなんにしろ自分でエンジンをバラすのは大変なこと。 開けてみなければ判らなかったことですし、何より最悪な状態に至らず、怪我もしなかったことはラッキーです。 また、一般のバイク屋では依頼された内容が「プラグのねじ穴修理」だけではプラグの穴をアルミの蝋付けし、ねじ穴を開けなおすだけでしょう。 カーボンを落とす時パーツを傷をつけたり、怪我をするリスクがあります。 まず見ないふりをします。 もしくはお客さまに相談し、各パーツの交換となるでしょう(某ショップ店長と話をし聞いたことです。 良かれと思っても客が言ったこと以外しない。 クレームが出ないよう必要な部分以外触らないとのこと)。 この考えが間違いだとは思いませんが、こちらに送っていただき正解だったと思います。 |