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図1 | 4ストロークエンジンとマフラーの関係
【エンジン】 基本的に4stエンジンはDOHCかOHC方式で並列・直列といった組み合わせとなっており、ピストンが2往復する間に吸気・圧縮・膨張(燃焼)・排気を1工程行うようになっている。 【 マフラー】 主に排気場所や大きなサイレンサーのレイアウトを考えて後方へ伸ばすケースが多く、マフラーなしでも、ある程度の速度で走行できるが大変やかましい。 マフラー内の排気の状態は左図に示す。純正でチャンバーが付いている4スト車も最近多くなっている。これは左図のような波動効果による排気圧の調整を行う為でもあり、サイレンサーまでの長さも計算されている。このことから見た目でマフラーを選ぶと、吸排気バランスの崩れる原因となるのが解るだろう。排気の抜けが良すぎると当然、負圧波も大きくなる。ここで問題となるのがオーバーラップです。図1と図2の間でピストンが上死点に達した時、カム構造にもよるが吸排気バルブが少しずつ開いている場合がある。これはスポーツ車に多く採用されているオーバーラップと言う構造で、排気の勢いを利用し、高回転域でもシリンダー内に多く混合気を入れることを目的としている。では、何が問題かと言うと、正圧波が大きすぎるとそれに比例してできる負圧波も大きくなり、オーバーラップ時、吸気どころかキャブ側へ排気される事がある。このチェックは、キャブレターを外しマニホールドの汚れ具合を確認すればわかる。 【サイレンサー】 2ストに比べ、構造は複雑で、消音効果のため、複数の部屋を作り、圧力差を利用したものや石綿を使ったりとさまざまだ。排気の抜けのいいものは高速タイプ・低トルク・やかましい、排気の抜けの制限を行うのはコーナー重視・高トルク・静かといったイメージを浮かべていただければよい。 インナーサイレンサーの外側には消音材にスチールウールとグラスウールが巻かれワイヤーリングするのだが締め付け具合で効果が変わる。 |
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排気吹き出し:排気ポートから勢い良くサイレンサーに向けて排気される。(正圧波という) | |||
図2 | |||
負圧波発生:正圧波の影響で排気ポートに向けて負圧波が生じる。(白い部分)この時、シリンダーでは吸気が始まる。正圧波の一部を排気する。 | |||
図3 | |||
負圧波反射:負圧波はバルブ部に到達すると反射する。ここでオーバーラップ行い、吸入効率を高めるケースもある。ピストンは下死点。 | |||
図4 | |||
反転・逆行:反射した負圧波が再びサイレンサー部に到達すると負圧に正圧波の一部が引き寄せられ、反転する。すると今度は正圧波が逆行し、バルブ部に向かう。 | |||
図5 | |||
正圧波反射:バルブ部で正圧波が反射され排気される。このときピストンは下死点で、上死点に上がり、燃焼後、図1へと繰り返される。 |
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図1 | 2ストロークエンジンとチャンバーの関係
【エンジン】 ピストン1往復で圧縮・吸入→膨張→排気→掃気の一工程を行う。簡単が故に4stに比べ進化が早いし、各パーツ色々な方式があるので複雑化している。 (吸気方式)
(シリンダー) ポートの位置・形状・開口面積・角度で性能が大きく変わる。 基本の3ポート(吸気・排気・掃気)の応用で補助掃除などを加え、7ポートタイプも存在し、複雑化している。 基本的に排気バルブは存在しない(YPVSなどを除く)。 【サイレンサー】 4stと比べサイレンサー部は高温になりにくいので、グラスウールだけを巻くケースが多い。やはりワイヤーリングして固定するのだが締め方で消音性能や吸出し効果や押し戻し効果が変わる。排気量によっては4st同様のサイレンサーをつけているケースもある。極端なことを言えば、サイレンサーを外せば、排圧が弱くなり、吸出し効果は大きくなっても押し戻し効果は小さくなってしまうので、新気がそのまま抜けてしまい、燃費が悪くなり、騒音もひどくなる。 【 エクスパンションチャンバー】 胃袋状の箇所がある。なぜこんな形をしているかと言うと排気バルブの代わりに一度シリンダーから排出した排ガスをインテークまで一部戻し、圧縮時には排気バルブの代わりとなるように抵抗とならないよう曲面に設計されている。(上に示すような役割をしている。)この形状は1962年にスズキで排気管の研究をしていたところ、たまたま著しい性能であることが判明し、現在、その効果は理論的に証明され、何処のメーカーも使う製品となった。 |
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排気ポートが開くと高温高圧の正圧波がチャンバー 内を音速で通過する。 |
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図2 | |||
正圧波がダイバージェットコーン(胃袋状に膨らみ 始めの所)に達すると負圧波が発生し、排気ポート へ逆行する。 正圧波はそのままサイレンサー側 へ進行する。 |
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図3 | |||
排気ポートに到達した負圧は負圧反転波になり吸 出し効果が生まれ、シリンダー内で掃気・吸気を 行う。 |
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図4 |
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正圧波がコンバージェットコーン(胃袋状の膨らみ の付け根)で一部サイレンサーに排気し、一部を反 射させ排気ポートへ逆行させる。 |
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図5 | |||
正圧波が排気ポートに到達するとき圧縮が始まり、 吸気した混合気を排気側から押し戻し、圧縮を高め る。その後、点火し、図1からの工程を繰り返す。 |
チャンバーを買う上でのポイント | |
「あの子のはめてたのサイレンサーがかっこいい」とか「あれは音がいいね」ということを良く聞きますが、いざ自分が新しくチャンバーを交換しようとする場合、そういった面(外観)で選ぶのはお勧めできない。同じ車両でも、体重も違えば、乗り方も個性がある。他人のベストが貴方のベストとは限らないです。 | |
チャンバー長でわかること | チャンバーがノーマルより短い→比較的高回転型 チャンバーがノーマルより長い→比較的低回転型 |
排気の抜け具合 | サイレンサーの中のインナーサイレンサーが貫通していて排気口もかなり拡大している。→高回転型・高燃費(低速時ロス分が多い) |
排気デバイスつきの場合 | ホンダならCRV・ヤマハならYPVS・スズキならAETC・カワサキならKIPSといったバルブがついているが、そもそものルーツは大西エンジンと言う公害対策エンジンからヒントを受けたもので、低速時の新気排出を出来るだけ無くそうと言うのが目的だった。これは長めのチャンバーをつけて排気ポートにつけたバルブで排気(脈動効果)を抑制して低回転域の性能も高めると言う効果をもたらした。 チャンバーを別の形状のものに交換すると言うのは、場合によるが、デバイス特性を無視することになる。レーサーモデルでも多用化されている可変バルブを使えないのは宝の持ち腐れですな。 |
4ストマフラーを買う上でのポイント | |
単独管から集合管への変更 | 現在2気筒以上では集合管で純正販売していることが多い。スポーツモデルで浮かんでくるのはどれも集合管ではないだろうか。 これはスタイル性やバランスよりも負圧波を増幅させる効果や脈動を干渉させて悪影響を及ぼす、正圧波を取りの除くと言う効果があるためだ。ヨシムラサイクロンはこの効果を活かしたものである。しかし、4into1/4into2to1/パラレルなど正圧・負圧を打ち消す考えのものも存在するので自分の持っているバイクの純正マフラーがどういった効果を目的に作ったのか、エンジン特性とのマッチングが良いのか知ってからでないと本質的な性能UPは難しい。 相対性理論や数学的なことを考えたくない方は、信頼できる実績を持ったメーカーの専用マフラーを購入することを勧める。(セッティングについては購入前に確認しておくほうが良い)旧車ブームは意外にも続いていて、集合管に替えようとお考えのかた吸排気系の見直し大変ですよね。しかし、人気車種ならパーツも選べ、いろんな情報も入手できそう。頑張ってね。 |
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オーバーホールできる構造でないマフラーのオーバーホールはお勧めできません。 メーカーに確認してください。 以前こんなマフラーを見ました。 |
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