オーリンズ46HRCL


取付け作業を行う前に必ずお読みください
Ohlins Racing ABは装着後、取り付けやメンテナンスを正しく行なわなかった場合に生じた、ショックアブソーバー、車両又は個人に対するいかなる傷害に対しても責任は負いません。同様に保証期間であっても無効となります。
注意:
・装着する前に本説明書をよくお読みの上正しく装着してください。
・取付後も本説明書を大切に保管してください
・安全快適にご使用いただくために、取付部分の締付け具合、各部の損傷、油漏れの確認等、日常点検を実施し、不具合が見つかった場合は、直ちに部品交換、オーバーホール等を行って下さい。
・商品には万全を期しておりますが、正しい取り扱いをしていただいても、車両の運転状況やその他の原因により破損、損傷する恐れがあります。 万が一不具合が発生した場合には、状況により無理に走行せずに、直ちにご購入の販売店までご相談ください。
本製品は基本的に消耗品ですので、経年変化により劣化等が生じる場合がございます。 このような場合、速やかにご購入の販売店へ相談していただき、本来の性能が損なわれている場合には、直ちに保守・点検していただくようお願いいたします。
・本製品を使用した結果の他への影響(交通事故、交通違反、本製品取付車両が使用できなかった事による損傷等)について一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承下さい。
・ご不明な点につきましては、OHLINSサービスセンターへお問い合わせ下さい。
警告
・ショックアブソーバーの装着にあたっては、車両メーカーが認めたものでない場合、車両の安定性に影響を及ぼす場合もあります。 OhlinsRacing ABはショックアブソーバー装着後に生じた車両は個人に対するいかなる傷害に対しても責任は負いません。オーリンズ販売店又は有資格者にお問い合わせ下さい。
・ショックアブソーバーKITを装着される前に取扱説明書とオーナーズマニュアルを熟読し、十分に理解してから作業を行って下さい。 質問などがございましたらオーリンズ販売店にお問い合わせ下さい。
オーリンズショックアブソーバーを装着される際は、車両メーカーの取扱説明書(ここでいっているのはサービスマニュアルですGooseの取扱説明書は新車購入された方はお持ちでしょうが細かな調整着脱は書かれていません)も必ず合わせてお読み下さい。
・当製品の装着については、取付業者が、責任を負うことになります。 必ず本書を熟読し、内容を理解くださった上で作業して下さい。
・当製品を加工したり、締付け不良、装備不備、その他取付作業上にて生じたクレーム及び故障、事故損害について、Ohlins Racing ABは一切の責任を負いかねます。 予めご了承ご理解ください。
・ショックアブソーバー内には高圧ガスが封入されているため、加工、分解することは大変危険であり、大きな事故につながります。ご自分で行なわず、OHLINSサービスセンターへお問い合わせ下さい。
要点
・オーリンズ製品は常に改良、発展しています。従ってこの説明書に記載されている内容と製品に若干の違いがある場合がございます。 取扱説明書について質問、疑問がございましたらオーリンズ販売店にお問い合わせ下さい。
・本書は車両の一部として常に車両に搭載し、ショックアブソーバーを譲渡する際は、必ず本書を添付してお渡し下さい。

サスペンションの調整
オートバイの路面追随性能
オーリンズは車高、キャスター角をを含むサスペンションジオメトリーを基本に車両設計を行なっています。 ジオメトリーを変えることでリアとフロントエンドのバランスに影響(基本ジオメトリー)を及ぼします。 オーリンズ製ショックアブソーバーに取り替えることによってフロントフォークとリアショックが相互とも最適に作用し、素晴らしいトラクションが得られます。
構造
オーリンズショックアブソーバーの多数はド・カルボンコンセプトを採用しています。 これはフリーピストンで仕切られたガス室とオイル室に分けられたものです。 フリーピストンはホースでつながれたタイプ、ショックアブソーバーの横に取付けられているピギーバックタイプがあります。又ショックアブソーバーの中にフリーピストンが装着されているものもあります。(ガス室をショック内に装着)エマルジョンタイプにはフリーピストンは装着されていません。 オイルの圧力は窒素の加圧によって発生させています。オイルを加圧する事により、ショックアブソーバーの動きはさらに滑らかになります。別タンクタイプはオイルを冷却する効果もあり、オイルと各構成部品の寿命を延ばします。オーリンズショックアブソーバーは温度管理も考慮されています。オイルの温度が必要以上に上昇すると減水力は低下します。 オーリンズショックアブソーバーには調整機構を搭載しており、特殊合金プッシュロッドの熱膨張により自動調整され減衰力が低下することなく最適な減衰力を維持する事が出来ます。 (伸側減衰調整付モデル)全てのショックアブソーバーはダブル式ナット、カム式及び油圧プリロードアジャスター式のいずれか(46HRCLの場合ダブルナット式、46HRCLSの場合が油圧プリロードアジャスター式)が装着されており、スプリングのプリロードが調整可能です。 さらに上級モデルでは伸び側減衰調整と圧側減衰調整が独立して調整でき、さらにショックアブソーバーの長さを調整可能のモデルもあります。
機能
オイルは低速時だとニードルバルブを通過し、高速時にはピストン中にアル数個の穴を通過します。 オイルはこれらの穴を通過する際、高い圧がかかると数枚のシム(鋼鉄製の薄いワッシャ)がピストンスピードに応じて押し広げられ適切な減衰力が得られます。 殆どのモデルはニードルバルブにより減衰力を外部調整することが可能です。 シムの並べ替えによって(数量、薄さ、大きさ等)減衰力特性を多様に変化させることが可能です。
圧側減衰力
走行中、車両のショックアブソーバーが圧縮したとき、オイルはピストンロッド内のニードルバルブを通過します。 ピストンスピードが速く、急激に縮んだ場合、ピストン下部に複数あるシムが押し広げられ適切な減衰力が得られます。ピストンロッドの容積分のオイルは、コンプレッションバルブを通過し、リザーバータンク内に移動します。 このバルブは、ピストンスピードが速く、高圧でシムを通過しても正確な動作をします。 フリーピストンが作動することにより、ガス圧が増します。
伸側減衰力
スプリングが縮み、ショックアブソーバーがその反動で伸びるとき、オイルはピストンロッド内のニードルバルブを通り戻ります。 リザーバータンク内に入ってきたオイルは、ショックアブソーバーが伸びる際、加圧してあるガスによってメインシリンダー内に戻ります。 ピストンスピードが速いとき、ピストン上に複数枚あるシムが押し広げられ適切な減衰力が得られます。
セッティング
〈基本セッティング〉
オーリンズショックアブソーバーは出荷時、基本セッティングに設定されております。 基本セッティングはノーマル車両の現状とライダーの一般的な平均体重からベストセッティングを設定しています。 平均体重は65kg〜70kgで設定してあります。 また、車両に関してフルストック状態にしてテストしてあります。 体重が極めて違う場合、及び改造などで軽量してある場合はするリングの交換が必要になります。 お近くのオーリンズ販売店までお問い合わせ下さい。
フロントフォークスプリング
車両の路面追随性能を最高の状態にする為には、フロントフォークとリアサスペンションがうまく調和しなければなりません。 設定表に掲載されているオーリンズ製フロントフォークスプリングは、各ショックアブソーバーの特性に合わせ最適なセッティングを施してあります。 もし設定表でその車両に適応する商品がない場合は、純正スプリングを使用するのがベストです(Gooseの場合オーリンズ製フロントフォークスプリングは当初から用意されていません)。車両に適さないスプリングを使用した場合、キャスター角が変化してしまいます。このような状態で走行するとオーバーステアリングやアンダーステアリングの症状が発生し車両のハンドリング特性に悪影響を及ぼします。 また、オーリンズ製フロントフォークスプリングは金属疲労によるへたりが殆どありません。 しかし良い状態を保つために少なくとも年に一回はフロントフォークのオイルを交換して下さい。 この場合、オーリンズ製フロントフォークをお勧めします。 詳細はラインナップ表をご覧下さい。
スプリングプリロード調整
1.測定
スプリングのプリロードはとても重要です。 なぜならば車高とキャスター角に影響を及ぼすからです。 以下にプリロードの調整手順を示します。(2人で作業を行うと容易に行なえます。)
@車両を平坦な場所に置いて下さい。
A後部〈シートレールいっぱいに伸びきるまで持ち上げて下さい。
B後部マッドガードの位置から後輪の車軸の間を測定して下さい。
C同様にフロントフォークの頂点から前輪の間を測定して下さい。
D車両(人が乗らない状態)を置き、スプリングに負荷をかけて下さい。 そして同じ手順で測定して下さい。
E次にライダーが乗車した状態で測定して下さい。 その際、正しいライディング姿勢をとる事が重要です。 実際にライディングする事が重要です。 実際にライディングする場合と同じ状態でフロントとリアにバランスよく重量がかかるようにして下さい。
※以下の調整幅を超えないようにして下さい。
車両のみで測定する場合:フロント:25mm-30mm・リア:5mm-10mm
ライダー乗車時:フロント:35mm-48mm・リア:30mm-40mm
※車種によってはこの調整幅で収まらない場合もあります。
スプリングプリロードの調整
2.調整
プリロード調整はダブルナット式、カム式及び油圧プリロードアジャスター式があります。 ダブルナット式の場合2枚あるナットの上側のスパナで固定し、下側をもう1つのスパナで回し調整してください。 位置が決まれば両方のナットを締め付け、固定して下さい。 カム式はダブルナット式同様に調整し、3段階に移動します。 必然的に位置は決まり固定の必要はありません。 油圧プリロードアジャスター式の場合、時計回りにダイヤルを回すと圧がかかり、反時計回りに回すと圧が抜けます。
要点
ダブルナット式を油圧プリロードアジャスタ方式へ、また、油圧プリロードアジャスター式からダブルナット式へそれぞれのパーツを交換することが可能です。 その場合は最寄のオーリンズ販売店へご相談下さい。車種によって油圧プリロードアジャスタが装着できないものがあります。
減衰力調整
オーリンズショックアブソーバーの減衰力調整はきわめて容易です。 走行する路面、あなたの体重と装備品に適した最高の調整をすることが可能です。 路面追随性能を良くするためにはショックアブソーバーの機能を十分に理解しておくことが重要です。 その際車両にどのような影響を及ぼすのか試行錯誤を繰り返すことで理解していくはずです。 OHLINS製品は、減衰力調整をノブを回して行ない通常は右手で回します。 ノブを時計回しに回すと減衰力が増加し、反時計方向に回すと減衰力が減ります。 ショックアブソーバーが倒立で装着されている場合減衰力の調整ノブの方向に注意してください ノブを回す際「クリック」感で位置決めを確認できる為、簡単にセッティングを行なうことが可能です。 伸側減衰力は車両の殆どの部分に影響を及ぼします。 調整ノブはピストンロッドの下に設置されています。 シングルショックで40段階調整が可能です。 フルアジャスタブルツインショックで30段階調整が可能です。 圧側減衰の調整ノブは別タンクの下に位置します。 シングルショックは20段階。フルアジャスタブルツインショックは4段階の調整が可能です。調整の段階については個体差によってばらつきがありますので御了承下さい。
要点
減衰力調整を変更する場合、ノブを最強にして下さい。 そこから希望の減衰位置までノブを回して下さい。 MOUNTING INSTRUCTIONに記載されている減衰力の段数は最強から戻しの段数です。 調整ノブは強く回さないで下さい。 また、ショックアブソーバーを調整する場合も道具を使用しないで下さい。 MX/Enduro用ダンパーはショックアブソーバーが冷えた状態で行なって下さい。
Mounting instruction
SU904(RGV 250-89他)
Kit contents - Set-up data
Shock absorber Type 46HRCL SU904 1 Total length 300+12,-0mm
Owners manual - 1 Stroke 55mm
Sticker 0197-01 2 Preload spring 11mm
Mounting rubber 0230-03 2 Rebound adjustment 16
Tie-rap 0231-01 2 Compression adjustment 10
Hose clamp 0710-02 1 〈配送時セッティングはこちら)
OHLINS Rショック
Hook spanner 0710-02 1
Stick "Memo notes" 1180-01 1
車両のセッティング
要点
調整は常にオーリンズ出荷時の基本セッティングより始めて下さい。 セッティングを行なった際、メモを記入する事をお勧めします。 一度に行なう調整は2段階(クリック)ずつ行い、基本セッティングより4段階〈クリック〉以上は行わないで下さい。
調整機構を活用することでいろいろなセッティングに調整でき、それにより車両に対してどのような影響を及ぼすのかを理解できます。 試乗を始める際は、なるべく路面状況が多様に変化する(緩やかなカーブや急カーブ、凹凸が大きいところや小さいところ)短いコースを選んでください。 同じコースを走行し、一度の調整でひとつのセッティングとして下さい。
伸側減衰調整
車両が不安定で安定感が悪いように感じたら伸側の減衰を増やして下さい。 調整を行なう際、時計回りにノブを4段階〈クリック)回しして下さい。 試乗後ショックが硬く跳ねるようであれば2段階〈クリック)戻して下さい。 又ショックが硬く跳ねる場合で、特に跳ねがひどい場合は伸側の減衰を減らして下さい。 調整は反時計回りに4回転〈クリック)回して下さい。 試乗後は必要に応じて2段階ずつ修正して下さい。
圧側減衰力調整
通常の乗車姿勢で、沈み込むように柔らかく感じた場合、圧側の減衰を増して下さい。 ノブを時計回りに4回転〈クリック)回し再び試乗して下さい。 試乗後、硬く感じたら反時計回りに2段階〈クリック)回して下さい。 又舗装された路面を走行し、硬く不快に感じたならば圧側の減衰を減らして下さい。 調整は反時計回りに4段階〈クリック)回して下さい。 試乗後、必要に応じて2段階〈クリック)修正してください。 調整後、車両が安定し満足なセッティングが得られたときでも、さらに優れたセッティングを目指して下さい。 それは経験を積むことにより自然に得られます。
要点
各調整を行う前にスプリングのプリロードを最適な位置に調整して下さい。
※最適と感じる位置を見つけた際、もう一度最初から確認を行って下さい。 また、タイヤ、温度等の関連要素も注意深く確認して下さい。 また、試乗してそれ以上に最良のセッティングがないか確認して下さい。
検査と整備
洗車後はショックアブソーバーを以下のようなケミカル剤(QS14,WR40orCRC−556)で綺麗に磨いてく下さい。必要に応じてピロボール及びブッシュ類にグリースを塗布してください。
検査箇所
・ボールジョイント(作動部分)
・スプリングプリロード
・ショックアブソーバー本体とピストンロッドの外部の損傷
・車両への取付部
・リンク廻り
※整備、定期点検はパーツ機能の劣化を防ぎます。 もし修理の必要な箇所が見つかった場合、必要工具と豊富な知識をもったオーリンズサービスセンターへお問い合わせ下さい。
要点
定期的な整備と点検は機能パーツの劣化を防ぎます。
オーバーホールの推奨時間
一般動 10,000km〜20,000kmごと
レース 20時間走行ごと
より良いコンディションを保つ為、早めのオーバーホールをお勧めします。
警告
ショックアブソーバーはフリーピストンによってガス室とオイル室に分離されています。 破裂の危険性を避けるため、ショックアブソーバーを取扱になる前に、以下の事項について十分に理解し熟知して下さい。 メーカーは誤った使用方法によって商品の破損や傷害が発生した場合、一切の責任を負いません。

1.シリンダーやリザーバータンクをむやみに分解しないで下さい。
2.ショックアブソーバーは可燃性オイルやガスが封入されていますので、火中に投入したり、火に近づけたりしないで下さい。
3.ガスリザーバーに損傷を与えないように注意してください。 リザーバータンクに損傷を与えると減衰性能の低下や故障の原因になります。
4.シリンダー内のピストンロッドの表面上ひっかいたりしないで下さい。 オイル漏れの原因になります。
5.リザーバータンクの底にあるプラグを絶対に外さないで下さい。 プラグを外すと重大な故障になる可能性があります。
6.廃却する場合は、整備工場や自動車解体業者等の専門家にご相談下さい。
警告
OhlinsRacing ABはショックアブソーバーの取付や整備不良により車両、商品の損傷や傷害が発生した場合、一切の責任を負いません。 また保証の対象外となります。
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