ノッキングと
デトネーション 
  
 他に原因があった場合、特異なものでも結構です事象をお知らせください。
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どちらもプラグ点火ででない異常燃焼であるが、まったく違うものである。  そこではっきりと区別しよう。
 ノッキングは、点火プラグで混合気に点火した後に起こる異常燃焼だ。 混合気は着火後、点火プラグの周辺から燃焼室内の隅々まで燃え広がっていくわけだが、排気バルブ側は排気によって常に高温であるため、混合気が燃えやすい状態になって、混合気の燃え広がる速度が速く、早く燃え尽きてしまうのに対して、吸気バルブ側の温度がずっと低く、混合気が燃え広がる速度が遅くなる。 燃焼室内で混合気は先に排気バルブ側で燃え尽きるが、その燃え広がる勢いで、吸気バルブ側の燃えやすい状態の未燃混合気を圧迫する。 それにより誘発されるものである。 また、厄介なことに高圧縮化すれば点火プラグ周辺の混合気が早い速度で燃え、ピストン側の未燃混合気が圧迫され、誘発することもある。 シリンダー内から「コツコツ…」とドアを叩くような音をたてることからノッキングというらしいが、想像よりもっと高い金属を叩く音だということだ。 燃焼が1回パスされ、 燃焼が行われた後に残るはずの残留ガスがないので、次の燃焼行程でシリンダー内に入っているガスが、すべて燃えやすいリフレッシュな混合気にり、異常に高い燃焼圧力がかかり続ける。

 デトネーションは、点火プラグで混合気に点火する前に起きる異常燃焼だ。 点火プラグや焼けた排気バルブなどのホットスポット(STDシリンダーヘッドを用いシリンダー径を拡張する場合、角が出来るのでそこもヒートスポットとなる)や、カーボンなど燃焼室内に残った火の粉により、圧縮中の混合気に自然着火することでおこる。 (一般的にデトネーションはオーバーヒートなどのように冷却が不十分だと起こりやすいが、カーボンがシリンダー内に貯まることが着火源となる) エンジンを切った後でも異様な音を立ててエンジンが回り続けるらしい。 ノッキングと違って「ガランコガランコ」と音がすると表現された本があったが実際に聞いたことはないです。 しかし、以前質問を受けたのだが、「SRの友人はエンジンを切ったあとバックファイヤーする」と言うのは、物を見たわけでないが、これが原因とも推定できる。
  
どちらもほっておけば焼きついたり、駆動部に変形を生じたりする危険な障害だ。

ノッキング

原因 対策
ガソリンが古い ガソリンの交換
圧縮比が高過ぎ 圧縮比を下げる・吸入速度を早くする・潤滑を向上させる・冷却効率を高める等
点火タイミングの進めすぎ 点火タイミングを戻す
吸気ポート加工ミス あごの削ってストレートにするとノッキングを引き起こす。 ヘッドの交換か、補修
燃焼室内のカーボン蓄積
(カーボンノックというもの)
ピストン・シリンダー・ヘッド内のカーボン除去
お客さま事例
実はCDI(とレギュレーター)が壊れたので社外品(ウオタニSP2)を入れた > のですが、ガラガラと壊れそうな音はするし吹けも悪いしでノーマルに戻して > みようと思った次第です。関係ないとは思いましたがカムチェーンテンショナー > を疑って新品にしたりしましたがやはり直りませんでした。 > 何かヒントがありましたら是非お教えください。

デトネーション

原因 対策
燃焼室内のカーボン蓄積 ピストン・シリンダー・ヘッド内のカーボン除去
オーバーヒート 冷却水チェック・ミッションオイルチェック
ボアアップ後の対策不備 STDシリンダーヘッドを用いシリンダー径を拡張する場合、角が出来る。 シリンダー内には角を出来るだけなくすように加工するのが効果的である 
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