エンジン温度が上がりすぎる 

通常、オイル特性も考慮し、油温は100度以下に抑えたいものです。 GooseのSTDで攻め込むとたしかに100度程度になってしまう場合があり、250ccオーナーからの相談にはシリンダーヘッド−オイルタンクバイパスの追加を提案しているのですが、今回預かったお客さまの250cc車両はオイルクーラーも増設されているのに通常走行で140度を超えてしまうものでした。 不安に思ってお客さまに確認したところ「夏でも70度くらいしかでてないよ」とのことでした。  シリンダーヘッドは意外にも触れる温度ですが、クランクケース側が触れないくらいの温度に…。

<現状分析>
・中古で長い間車庫に保管されていた。
・1度プラグのネジ穴がつぶれ直している(シリンダー内に焼付き跡は見られなかった)
・何度もプラグがだめになり交換している
・レギュレターが壊れ、バッテリーがあがったことがある
・キャブセッティングが出ていない。
・オーバーフローするようになり新しくフロートとニードルバルブを交換した。
・PSが回らなくなる事象を2回起こしている(原因不明:2回目でキャブ本体交換)

<STD>と違うパーツ
・ノロジーホットワイヤー
・K&N Goose350用パワーフィルター
・プラグ(NGKイリジューム)

BSTのページから以下の内容を移動しました。(原因がキャブだけと限らないため)

電話連絡で行ったら・・・
(H15.10.8) 名古屋のお客さまが会社から帰る前に調子が悪いと連絡があり向かった。 PS調整程度に考えていたが2回転戻しと確認したPSの回転が悪いらしい。 そうこうしているうちにネジがなめてしまった。 様子がおかしいので変わってもらいPSの取外しにかかったが右親指を痛めてしまっていたため私も力が入らない。 PSはすごく固かったが1回点半は回せた。 変わってもらったが ・・・とうとう外れないくらいになめてしまった。

1ヶ月もたっていないと思うが、実はこのオーナーさん、前にもドリルで穴を掘って六角を差しPSを外している。 ここは、任せて・・・と思ったが今回は行くところまで行ってしまったらしい。 掃除はしたというもののねじ山に前回削った鉄粉が残り外れにくくしているのだと想像できる。
PSがすぐに外せる状況でないため、トランポで車両を回収し、彼を自宅に送った。

とりあえず、TMΦ40をはめてみた。 径が大きすぎる上にSTDワイヤー・スロットルではワイヤーの長さを調整できないため、スロットルを前回まで開けられないことが判った。 セッティングを出せても厳しい。
(H15.10.23)14号が入荷し、BST33を使うことに! 
SBSで購入した状態でエンジンは始動していたことからそのまま使っても問題ないだろうと考えていたが、最近交換したパーツがあることも聞いていたし、移植。 ミキシングボデー・タンク内も14号の物の方が綺麗だ。(お客さまのタンクはクリームコーティングする前は錆が酷かったようだ) よく見るとニードルバルブの受けの材質が同じBST33でも違うようだ。 (左側がお客さまが最近買い換えたばかりの物です。)
フロートもお客さまの新品の物を移植します。
このお客さんは心配からかネジを強く締め付ける性質が車両のあちこちに見られる。 なめ易いタンク裏の+ネジはキャップスクリューに変えておいたほうが無難だろう。
バンドのなめたビスもJIS企画の良いビス交換する。
セッティング前に確認
<現状>
Goose用K&Nフィルター(馬鹿でかいBST40用)が付き、エンジン250STD・マフラーも250STD。変わっているといえば、ノロジーの.ホットワイヤーにプラグがNGKイリジューム。

<お客さまから聞いていたこと>
通勤時は調子が良かったがエンジンがかからなくなった。
テスト@:250STDキャブセッティングにして、お客さまの仕様に合わせ始動してみる
結果:エンジンはかかるがすぐに止まってしまう。
テストA:お客さまのK&Nパワーフィルターと250STDセッティングのBSTキャブを14号につけてみる
(14号購入時はエアクリーナーのフィルターが入っていなかっただけでセッティングはSTD。 普通に走れた。 しかし、) 
結果:走れはするが、信号でたびたびエンスト。 1/2くらいでボコつく感じ。 K&Nフィルターに替えてSTDセッティングは厳しいことが確かめられた。
テストB:お客さまの車体にキャブを戻し、PS調整をしてみる
チョークを引いてエンジンをかけ、ベベルギアーでタコが最高位を指す点を見つけ、チョークを戻し、アイドルも徐々に戻す。 結果:上の写真のメモの通りでPS210/360回転戻しがタコが最高位を指す点だった。 2000rpm以下は止まってしまう…。 プラグもチェックし、プラグと一緒にコイルの端子導通も高めるため紙やすりで清掃し取り付け。 だいぶ良くはなった。 1500rpmでアイドリングを維持している。 しかし、エンジンが温まっているのにエンジンのかかりは悪くチョークを引かなければかからない。
テストC:走行してみる
予想通り下が薄い。 慎重にスロットルを開けないと止まってしまう。 アイドルを若干高めに保ち走行してみた。 出だしも遅いし、前回時トルクが無い。 全体的に薄い。
テストD:だいたい走ってみて想像が付いただいたいの目安でセッティングしてみる

PJ:42.5のまま,PS:2戻し,JN:上から4段,MJ:147.5で走ってみた。 静止状態でアイドリング1500rpm安定。 出だしも悪くない。 1/2から全開まで快調。 スロットルを戻すと止まってしまう。 おいおいSTDセッティングから考えると全体的に異様に濃いセッティングなのにパイロット系はまだ濃くして欲しいといっているのか? そもそも吸排気系のバランスが悪すぎなのが問題だろうが…。 まーテストだから、セッティングを出してみよう。
テストE:PSをもう135度戻して試乗してみる
2000rpmで安定させると普通に走れる。 MJは加速が遅いので濃い。(#142.5に変更) と感じたがプラグが死んだ。 
思い出したことがある。 このオーナー。 何度もプラグが死んでいる。 まて! セッティング以前に電装の故障は無かったはず・・・ステーター・・・パルサーコイルしか計測していないか・・・臭いかも? レギュレターが壊れているのを発見し、交換したし。 計測してみよう!
電装チェック(H15/10/11)
【スパークコイル】
一次コイル 0.06Ω
二次コイル 5.72kΩ
ノロジーを使っているからこんな物かもしれない。
【レギュレター】
-+ 黒白 橙黒
黒白 - 28.7Ω
4.6MΩ - 4.6MΩ
4.6MΩ - 4.6MΩ
4.6MΩ - 4.6MΩ
5.1MΩ -
橙黒 28.7Ω -
明らかにおかしい。 交換した。
【ステーター】
茶−白 505Ω
黄-黄 0.08Ω
緑−青 508Ω
黄-灰 528Ω
抵抗値では問題ないと判断
【CDI】
テスター値は当てにならないので保留
(H15/10/30)
10/11でステーターには問題ないと判断していた(忘れていたが) 走行テスト中プラグがだめに・・・CR8EKに
交換し始動。 走行中温度は145度近く… おかしい!と思いオイルタンクのオイルを確認したが多すぎるくらいだ。
Uターンし帰る途中の信号待ちでオーバーフロー。 コックOFFにて停止。 エンジンを止め歩道でキャブOH シリンダーヘッド
よりクランクケースの方が手で触った感じ熱を持っているように感じた。 原因はこのせいでは? オイル循環系に
問題はないだろうか? 疑問がでてきた。
(H15/11/1)
キャブレターをOHしてみるとミキシングボディーとニードルジェットの間に半透明の直径1mm程度の塊と錆カスが出てきた。
これが原因でオーバーフローしたに違いない! 温度が上がりすぎてオーバーフローするなど聞いたことが無い。
さらに、温度。 デイトナのテンプメーターは摂氏・華氏の切替がボタン1つでできてしまう何かのショックか触れたのか華氏温度になっていたため温度が高いと勘違いしたのが判った(参考:1℃×5/9=77°F)
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