異音がするエンジン

エンジンは色々な事を音で異常を教えてくれます。 例えばシリンダーから「コツコツ」と「ガランガラン」ノッキングやデトネーションのような音。シリンダーヘッドから聞こえる強く叩くような「カチカチ」という音などがあります。 パーツの磨耗・高トルクがかかる部分の調整点のズレなどがあります。


走行途中で突然大きな音がし、エンジンを冷やしても音が消えない


Q1:かなり怪しい不動車で購入した私のGOOSEもやっとエンジン始動までこぎつけたのですが・・ かなりカタカタという激しい異音(多分ヘッド辺りかと思います)が・・!!   始めはタペット音だと思い何度か調整したのですがどうも収まる気配がありません・・治せるものなら治したいのですが・・

A1:ではまず確認から。 タペット調整について

@バルブタイミングを正確に合わせる。の内容を理解し調整されていますか?
焼付きの疑いについて
Aオイル交換しましたか?
BシリンダーのOHはそのバイクでしましたか?
C走行距離はどのくらいでしょう?
D転倒・事故の痕跡はありますか?
始動してから
E始動直後白煙がでたりはしませんか?
Fキャブの設定は薄すぎませんか?

<不動のエンジンをかける前に>
 まず、前回走行した時期のわからないエンジン走行距離に関わらずは疑いたい。キャブ内,ミッションオイルの量・匂い・汚れ具合,プラグの焼け方,エアクリーナーのフィルターの状態,ガソリンタンクの中。 マグネット側のプラグを外し、クランクシャフトを回転させてひっかかるところがないか確認(点火プラグは外し、EPLスプレーなど少量注入し、ゆっり回す)。タペット調整し、点火プラグを1.2kgでしめ、再度、クランクシャフトを回し、圧縮を確認する。 マグネットのプラグを填め、接続やしめ忘れが無いか確認し、始めて始動となるのだが、ここまでしていれば殆どエンジンがかかる前に悪ければ気が付ける。 エンジンが焼きついていればピストンの動きやオイルに症状が出ることが多い。

すでにエンジンをかけてしまってから言ってもしかたがない話なのでタペット調整時、死点を180度間違えていないか確認しておきたい。 180度違うとかなり大きな音がするはずだ。 初めての方にありがちですが…。 判らない人は「T」マークに調整し、1回転させて再度「T」マークに調整し、タペットのすき間が狭い方で管理値内で調整すればよい。 これでも音が酷い。 走ってトルクがあるか確認したいかもしれないが、ここはエンジンを止めて、シリンダーヘッドカバーだけを外してみる。 ロッカーアームとカムが見える。 著しく磨耗はしていないか。金属が削れる・溶ける・焼けたように部分的に変色するといった様子はないか?ここまですれば悪いのは物か・調整方法か・耳のいずれが悪いかわかる。 物だという時は、シリンダーの中も見ておこう。

Q2:ご質問戴きました件に関しては自分の判る範囲では以下の通りです。

@圧縮上死点をTマークにて確認し、サービスマニュアル通りに調整したつもりです。(なにぶん素人なもので絶対とは言い切れませんが・・)
AOILは新しい物を始動前に交換致しました。
BシリンダーOHに関しては不明です。只、車両の状態からレース又はサーキット走行を行っていたと思われます。(スピードメーターがはずされていた形跡がありました)又、ヘッドカバーのボルトはリコイルにて修正されておりました。(エンジン始動時、アイドリング状態でマフラー出口からの排気圧が高いのでは?)
C走行距離は確認して再度ご連絡いたします。
D転倒・事故の形跡はあります。(タンクはベコベコ・サイドカバーも歪み)
E始動直後の白煙はなかったと思います。
Fキャブは新品のMJとSJをノーマル番数で交換致しました。マフラーはヨシムラの非レース用ステンカーボンです。エアクリーナーはノーマルの新品を投入致しました。(以前ついていた物はスポンジに触るとボロボロと崩壊する状態でしたので・・)

A3:タペット調整はできていると過程話を続けます。

STDマフラーはサイレンサー部をいくつかのエレメントで分け、排気圧を下げていますが、ヨシムラDSCなど、共鳴式のマフラーでは、制圧はないですから排圧が高いですね。 同じクラス(排気量)のマルチの集合管と比較しても高いです。 エンジンもかかって、圧縮もあることが判りました。また、シリンダー内に大きな傷も白煙が出ないことから無い。 リコイルを使っているのはプラグでなくボルトですね? プラグであればヘッドは外しています。(要因増) エンジンをかけるのはやめてもらって、シリンダーヘッドカバーを外しましょう。 見るだけならオイルも抜かなくていいですし、エンジンを降ろさなくてもいいです。 ロッカーアームとカムの状態を確認しましょう。 

オイルポンプ詰まりによる焼きつき例で紹介したエンジンのロッカーアーム(左上)がこのような状態で、このエンジンもオーナーが「すごく大きなタペットの音がしていた」と言っていましたので、状況が似ているのです。 見て判るように、ここまで削れてしっていると何時バルブが折れても・白煙を噴いてもおかしくない状態です。 カム(左下)も軸受部が削れヘッドアッシ交換をしまければならない作業となります。 サービスマニュアルにしたがって確認して報告ください。 ティッシュでなくてもオイルラインの目詰まりが考えられます。 ヘッドだけでは直らない可能性があります。

走行中、突然エンジン音が大きくなった事例A
H16年年末に名古屋のバイク屋さんから要請があって、そのバイク屋さんに出入りしているお客さまのGooseを見て欲しいという要請があり都合をつけて見に行きました。かなりシリンダーヘッド周辺で叩いている音がすると共に他のところが振動して別の音もしていることを確認した。 店主からロッカーアームの磨耗について聞かれたが中古車購入時音はせず3000kmくらい走ったところで走行中音が大きくなったと聞いたので3000km程度で磨耗することは無い。 販売時タペット調整したことも確認済みだった。 情報も乏しく原因となる背景が見えてこない。 そのお客様には早急にエンジンを開けた方が良いことは伝え、OH依頼はHPで受けると連絡したがH17年2月になっても何の連絡もなかった。
H17.2.12心配してバイク店を訪れたらちょうどそのバイクがOHされていた。 正直連絡くらいとは思ったが中身の状態を見ることができてよかった。
 エンジン内の状態を説明すると
・シリンダーヘッド及びヘッドカバーに損傷なし、ヘッドカバーにはSTDの硬化した液体ガスケットがついている事からエンジンを開けたのが初めてだと思われる。
・カムは排気側の歪み、ロッカーアームは2つともひどく磨耗している。 これがシリンダーヘッドで叩く音がしていた原因でしょう。
・シリンダーヘッドは洗浄されていてカーボンの付着状況は覗えないがピストンは12000km以上走っているわりにカーボンの付着は少ない。大きな傷も無い。
・シリンダーは縦傷はないといっていい。 アプリリアのRS250も所有するおーなーで10000回転付近一定で通常走っているとは聞いた。 シリンダーから焼きつきは無いと判断した。 オイル切れなどの傾向は見られない(軸受け部磨耗なし)
・腰下はOHしていない。(店主は腰上だけと判断した。)
販売者から事情聴取
・オークション購入時、多少はエンジン音が大きかった。 バルブクリアランスで気にならなくなった。 スピードメーターは戻されているかもしれない
・オイルはモチュールを入れていた。
購入者からもう一度詳しく事情聴取
・あちこちに転倒痕があることやSW類が白くプラスチックが腐食していないことから交換されている外装が多いことがわかる。 メータも?
・音が大きくなる前にも若干気になる音がしていた。 購入時は気にならない音だった。 私が見た時より大きい音がした時がありお店で調整してもらっている。
・音が大きくなったのはツーリングの最中。 途中で音が大きくなり心配で引き返したと聞く。
・通勤で使っている
潰れたカムを補正すると言うが補正は良くないためkamoshopの品はただではあげられないからかも号で使っていたSTDを差し上げることにした。 それを渡しに行った時に新たな発見があった。 吸気側のロッカーアームのウェブワッシャが割れているということだ。
<結果を見て>
上の写真は故障車の2つのロッカーアーム、カム、吸気側についていたタペットスクリューで判りやすくするため近くにあったDRのヘッドカバーの上に置いた状態ですが、シリンダーヘッドカバー側のオイル切れなどのダメージは見られなかったためほぼこんな状態だったといえる。 カムもロッカーアームも吸気側の磨耗が酷い。 吸気側も正常とはいえないほど擦り傷が生じている。 人の手に渡るごとに何回かタペット調整を行い。 気にならない状態にしてきたがロッカーアームの磨耗の限界がきてしまった可能性もある。 スピードメーターは総合的に見て交換されている。(何度か転倒している痕跡はある 針の色アセが無く、メッキの腐食も無い 室内保管にしてもフレームの腐食、汚れと合わない) 車両は252番のエンジナンバーからそれなりの走行距離の可能性もある。 ヘッドカバーのガスケットはSTDが使われておりまず一度も開けていなかっただろう。 ウェブワッシャーが折れたのが切欠だとはシリンダーヘッドカバー側のダメージが無いことから考えられない。 経年磨耗と言える物と判断し、距離数の多いGooseオーナーさんたちにも起こりえることだと周知しておきます。
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