低速度でエンジンがストールする 
まず、言っておかなければならないのだがビックシングル自体低速走行時にエンジンがストールする傾向が強いと言ってよい。  単気筒はクランクマスが狭いし、1発の排気量が大きい分クランクのフライホイールが断然でかい。 爆発も2回転に1回。  察しが良い人ならもうお分かりだと思うが、ジャイロ効果が小さい単気筒は回転数が低い時、もっとも不安定な状態となる。
結構多くの人が疑問に思っているようなので簡単なテキストを作ります。 図面は新たに用意しませんので他のページの流用です

良く解る きかいこーさく(質問者がメカに弱い女性なのでそれなりに。)

左図が単気筒のコンロッドとフライホイール(ハンマーの方が解りやすい?) です。
フライホイールに付いている両端の棒がクランクシャフトでエンジン側にベアリングで固定されている部分ね。 ここを軸にして回転させると中心軸からズレたコンロッドが上下運動するでしょ。 想像できる? ここまでは解ったかな? じゃぁ次だ。

 コンロッドにピストンも付いていない状態でクランクシャフトを回すとベアリングが良ければフライホイールの遠心力で長いこと回っているんだ。 しかし、回転が落ちると重心がズレているからどうなるか予想がつくはず? 船を漕ぐような動きになるんだ。 位置エネルギーが運動エネルギーに勝る時、回転は止まるんだよね。 何となく解った? だけど、そんなに単純じゃないんだ。  今度はピストンを繋いで考えるよ。

 4ストロークの燃焼については「バルブタイミングを正確に合わせる。」に書いてあるから参照してくださいね。 当然、混合気を圧縮する工程ではコンロッドの回転に大きな負荷がかかり、クランクシャフトの回転を妨げるんだ。 もちろんリアホイールやカム、バルブなどを回すなどといった負荷要素も加わり、力の弱い低回転では負荷に負けて回転力が付いていけないことがある。 それがスロットルを戻したらエンジンが止まっちゃったという原因の一つだったりする。
ハンドル位置を高くして背筋が伸びた状態は重心が高くなり、ストールした時に危険
単気筒エンジンの殆んどがオフロードモデルベースなので計量でシリンダーはくランク上部に設置される。 これはオフロードという得意な地形を走行するためフォークやスイングアームを長くするだけでなく、エンジン自体も接地面から高く保つためでもある。  腰上がエンジン上部に来ることで重心が高くなってしまうのだ。 重心が高くなるとジャックナイフやウイリーしやすくなると別の頁でも話したが、軽量車両ゆえ、ライダーの姿勢で重心が大きく変わる。 ハンドル位置が高く背筋が伸びることで重心がまた高くなり、エンジンが突然にストールした時、ジャックナイフ状態になりかけることがある(実験:手放しでペダルにたって止まるぎりぎりまでミッションを入れたまま走行すればきっと飛べるはずです:大抵の人がその後処理できないので凡人だと思う人はやめたほうがいいです。 たとえハンドルを掴めてもエンジンが止まっているのでアクセルを開けてもリアタイヤの遠心力が働かない。フロントブレーキはかけず、腰を下げて着地せねばならない。 まぁ、大抵エンジンが止まった瞬間にリアが持ち上がるのでハンドルを持つ前にライダーが落とされる。)
乗りにくいとハンドルをアップハンに変えている人。 停止前のクラッチは遅すぎないよう注意してくださいね。
inserted by FC2 system