ミッションオイル漏れ


2ヶ月前に男爵で購入したお客さまのミッションオイルをチェックしたら真っ黒だった。 ここは私がエンジンのみ売る場合でもお客さまの依頼なしでは行なわないところなので販売前の点検項目に入っていなければ仕方が無いところだと思い交換しておいた。 前のオイルはガソリン臭く黒い。 そしてサージングが出ていた。 触ったところ粘度はそこそこあるようだ。 長年交換していないかシリンダーに傷があるかピストンリングのへたりがあるかもしれないことをお客さまに伝えた。 その時にお客さまにドレーンボルトからオイルが漏れると聞いたので、明らかに力いっぱい締付けた社外アルミワッシャー(サイズも合っていないし、極端に凹んでいる)を純正に取替え、オイルタンク周りも拭いた。 しかし、1週間も経たずに別の整備で来られたお客さまのドレーン位置の下にオイルのしずくが1滴。 おかしい!とPITの床に寝転がり、お客さまと確認した。 

判りにくいのだがサイドスタンドスタンドで立っている状態では単に漏れたオイルが一番低く下がった面のドレーンに集まったに過ぎなかったと解釈できる。というのもドレーンボルト〜リークしていれば、ボルト周囲はオイル汚れが必ずある。 しかも、ドレーンボルトからのオイル漏れなら進行方向にオイルタンクが持ち上がった状態で固定されるためオイルはドレーンボルト周囲と後ろの方に流れよほれているはずだが、ドレーンボルト前方にオイルが付着している。 しかもドレーンボルトの反対側もオイル汚れが広がっている。 オイル交換時オイルタンクの上のほうも拭いておいたおかげでエンジン側のリークはあったとしても少ないことが汚れが無いため判る。 原因はオイルタンクの結合部からのリークと判断される。 プロステージはクリアーブラウンだが漏れたオイルはすでに黒くなっている。 汚れを吸着していることは良くわかるが一週間も経たず黒いと言うのは問題を感じる。 量を採取してガソリン臭かったらシリンダーまでのOHを促した方が良さそうだ。 彼の車体は日に日によくなって本人も体感できているらしく嬉しそうだが元が悪すぎる。 年始も年末も2005年はこの店の車両の性でストレスがたまることとなった。 お客さま曰く、「オイル交換はしているはずだ」(某店で)というがフロントフォークのOHといいハブダンパーの交換が判らず断られたということを聞くと…ステムだって・・・何処を信用していいのか。 何時気付いたの?とお客様に聞くと買ってすぐだと聞く。 整備できない人間を馬鹿にしすぎだと思う。
オイルタンクにて分割した写真あり
漏油箇所判明
ドレーンボルトの反対側に位置するエンジン−オイルタンクバイパスのフィッティングボルトの緩みです。 前回、オイルタンク全体の汚れを拭き、短期間でPITに戻ってきてくれたため、そこだけオイル汚れが見つかった。 指定トルクで閉め直したとき、見た目とは違いかなり緩んでいた。 私は定期的にエンジンをOHしてしまうから振動等でここが緩むかは判らないが20台買って一度も無い。 通常緩むところではないといえるだろう。 また、普通の人が外す場所ではないのですよ。 クランクを割ったり、オイルタンクを交換する以外は…。

交換したばかりのワコーズのプロステージだがガソリン臭い。 外装より先にエンジンOHしたほうが良いと思う。

お客さまに相談し、OHすることとなった H17.1.28
エンジンを降ろすとこまで完了。
(複数の作業依頼があったため、夜勤明け1日で無理でした)
若干のアフターバーンはあった感じだが吸気側は異常が見当たらない。
エンジンはヘッドを開ける前に以前OHしているかなどは毎年何個かのGooseエンジンOHをしていると自然にわかる。 ガスケットの硬化具合や色、ボルトの固さなどだ。 今回も一度も開けた事が無いエンジンだ。 ヘッドカバーを外すとかなりガソリン臭い。 シリンダーに傷がありオイルのほうへ流れているようだ。
排気側はバルブロッドがだいぶ焼けている感じ。
カーボン付着も多い。
見た目には大きな傷は無いカム。 ヘリはVブロックに載せて計測してみる。
エンジンOHのポイントだがシリンダーヘッドを4点止めているM8ボルトはエンジンが積んである状態で緩めることを勧める。 OHしたことがないエンジンは固着し指定トルク以上に固く締まっていることが多い。 このエンジンも赤いフレームが見えるだろかここまではエンジンを積んだ状態で確認している。
シリンダーまでのOHを行う H18.1.30
シリンダーヘッドを外すと全体的にカーボンが多く付着していることが判る。
この程度ならデトネーションは出てこないんだろうがバルブシートとバルブの間に固形化したカーボンが多く付着し、充填効率を下げていたことは明らかだった。 給排気のバルブはシリンダー径が大きくなるほどに温度差を生じるため排気側だけ著しくバルブが焼けるのは仕方が無いがほっとけばデトネーションも出るし、排気バルブが折れることもあるので10年開けていないエンジンを使っている方はOHしていただきたい。
シリンダー@
横向きに一周の線が何段か出ているのが判るだろうか? 長期停止ししていた時に張り付いたピストンリングの跡だろう。 シリンダー全体が黒っぽいのは不完全燃焼やオイルの燃焼と思われる。
シリンダーA
270°付近に縦線があるがこれはピストンリングのセカンド、ロアの開いている位置と一致する。 原因は複数あるがカーボン付着に伴う排気側のヒートスポットが出来てしまい変形したことも予想される。 走っている車体であれば焼きつきで出来る傷は首を振る事で出来る給排気ポート側が主である。 良い燃焼でできた傷ではない。
シリンダーB
これはモロだね。 まさにピストンリングの幅のラインが・・・。 どうも原因は長いこと外に放置した車両のエンジンみたいだね。 そういえばフレームが酷く錆びている部分もあった。 錆びかかってシリンダーとピストンリングが固着したのを無理やりエンジンをかけたな。 リングは指の腹でなぞるとガタガタなのが良くわかった。 ヘリ、反りなど関係なしに交換(計測するまでもない) シリンダーは傷が浅いたホーニングする。
ピストンも酷いカーボンだが気になるのはクランクシャフトのハンマー部が上下色が違うのが良くわかるでしょ。 クラッチ側は玉虫色・・・それだけ高温になったってこと。 左右色が違うのはベアリングの焼き付きの可能性が高い。かなりいやな感じだ。 ゴロゴロ言うほどではないので早急に変えろとは言えないが交換すればまた効果が出るのは間違いない。 しかし、クランクをあけるとそれなりにまたお金を費やす。 ここは相談だろう。 ピストン表面はジャリが敷いてあるみたい。デザインナイフでピストンに傷を付けないよう刃を横にしてそいでみるとカーボンの山。 普通ではない量
バルブを外したポート内部写真だがあまりに汚いので光度調整を行ってる((上もそうだが…もっと真っ黒だと思って!)でも排気ポートはルブガイドが心霊写真かのように微かに写る程度。 吸気側もバルブシートの黒いのはカーボンである。
男爵めぇ!
シリンダーホーニング(特殊工具)した後のシリンダー内部状態(今度は光度調整など行ってません)あまり削りすぎることボア面積が変わってしまうので軽く数回回した程度。 オイルはオイルストーン用よりタービン油の方が粘度があるので使用。ノギスで測る分にはφ数は変わらないのでSTDのピストン及びリングを使用することとする。
H18.2.2 各部カーボンが酷くたまっていたため、清掃実施し、オーナーに状況を見ていただき15時から20時でエンジンを調整組上げた。
今回、タペット調整もストレート製の工具を使用。 こちらも純正より良いことが判りました
クラッチ板も見て欲しいという要望で工賃サービス実施
消耗限界なしクラッチ
ドライブ:31
ドリブン:変形大きな傷なし
お客さまからのメール
件名:新車?
バイクは乗ったことない別のものに変わりました!こんなに寒いのに エンジンがきれいに回っている。やわらかいと感じるくらいしなやかな フォーク。
ギアはクラッチを使わずとも簡単に入るように変化。 いやぁーグースって高級なバイクだったんですね。

グースのオイル漏れについて
お客さま買ったのはスペエデ、走行2000km以下のものなのですが、オイル漏れに悩まされています。右図の「6」の位置のボルトからオイルが下のオイルパン上部に垂れ、オイルパンを伝って地面にも垂れてしまうという状況です。購入店(SOX)は対応してくれていてメーカー送り(スズキ二輪日高サービスセンター)になって帰ってきたのですが、また全く同じ症状が確認できました。現在、再度メーカー送りになっている状況です。

一度目の修理内容はエンジンを下ろしてクランクケースを分解してシールし直したとの事。明細によると原動機、クラッチ、トランスミッションの脱着にチェックが入っていて、ガスケット、Oリング、オイルシール交換、液ガスにて修正修理となってます。ボルトから漏れているように見えたのですが、スズキによると構造上ボルトから漏れる事は無く、底面の継ぎ目から漏れたのがボルトに伝っているとの事。

外から見ても継ぎ目の部分のシールは修理前と変わっていて、スズキのサービスセンターなので明細も信用できると思うのですが、やる事をやっているにも関わらず症状が改善されていないのが不安です。何か思い当たる改善策があればアドバイスお願いします。それとも何か致命的な問題を抱えている個体なのでしょうか。
kamoクランクケースボルトはクランクケースとクランクケースを液体ガスケットでシーリングし、ボルトで固定しています。 メーカーがいうようにクランクケースの左右を締め付ける為のボルトには油道は作っておらず、そこからオイルがもれることは無いというように私も思っていますが分解したクランクケースがございますので近いうちオイルが通る道があるのか検証しましょう。 お持ちになるクランクケースが特別仕様で違わないかぎり検証できるはずです。 今のところの私の見解ではオイル漏れはその部分ではなくほかの箇所。 たまたまサイドスタンドで立てた時、傾いて6のボルトにオイルが集まっているだけ。 オイルリークが少なく走行時に明らかの漏れは発見できず、停止して1日とか、何時間経つと6の下にオイルが溜まるとかと考えたりします。 また、6の継ぎ目の部分のガスケットが薄くボルトの穴を伝って漏れたのならありえる。でもそれはクランクケースの液体ガスケットをメーカーがケチったのか下手なのか・・・なんて思ったりする。 見てみないと判らないがボルト穴からオイルが漏れるだけならシールガスケットを入れるだけで対処できる。 ボルトショップで販売してます。

お客さまスズキから連絡があったのですが、ボルトを外したらボルトの頭ーツルツルの部分ーネジの部分のツルツルの部分がオイルで濡れていたとの事。ボルト自体は貫通してないのですが、kamoさんの言った通りボルトが液ガスの部分を通っているのでそこがガスケットが少なかったか、またはクランクケースに鋳物鬆(す)が入っていてそれがボルトの穴に繋がっている可能性があると。乗ってもう少し漏れている箇所を特定してみる、とりあえずまたクランクを割っての修理はするとの事でした。長く乗りたいと思ったので程度のいい高年式低走行のものをと思って乗り出し50万以上の車両だったので色々不安になりメールしてしまったのですが丁寧な回答ありがとうございました。まだ治るかは分からないのですが、なんとか治るのを祈るばかりです。
kamoまた教えてください。 勉強になりました。


【クランクケースからの漏油】
H17.4.29 お客さまが以前から心配していた微量の漏油箇所を見つけるためオイルタンクを外して清掃してみました。 ドレーンボルト上部にオイルの汚れなしを確認。 クランクケースが液体ガスケットで組んであるため運転中のエンジン熱と停止時の外気の冷え込みで薄く延びた液体ガスケットが膨張収縮を繰り返すうちに隙間ができたことが考えられる。 清掃組み立て後の翌日、オーナーから漏油箇所がクランクケースであることが連絡された。 確実な修理方法はクランクケースを一度あけ、ガスケットを塗り直すことだが、私のところでもそれなりにお金と時間がかかる。 そのため、特定された漏油箇所を脱脂して、その上から液体ガスケットを塗ることを薦めた。 オーナーがお金がたまったらエンジン積み替えかOH作業に入る。

Q1買ったのはスペエデ、走行2000km以下のものなのですが、オイル漏れに悩まされています。  この〈上の写真〉6の位置のボルトからオイルが下のオイルパン上部に垂れ、オイルパンを伝って地面にも垂れてしまうという状況です。  購入店(S店:社名は隠しておきます)は対応してくれていてメーカー送り(スズキ二輪日高サービスセンター)になって帰ってきたのですが、また全く同じ症状が確認できました。 現在、再度メーカー送りになっている状況です。

一度目の修理内容はエンジンを下ろしてクランクケースを分解してシールし直したとの事。明細によると原動機、クラッチ、トランスミッションの脱着にチェックが入っていて、ガスケット、Oリング、オイルシール交換、液ガスにて修正修理となってます。ボルトから漏れているように見えたのですが、スズキによると構造上ボルトから漏れる事は無く、底面の継ぎ目から漏れたのがボルトに伝っているとの事。

外から見ても継ぎ目の部分のシールは修理前と変わっていて、スズキのサービスセンターなので明細も信用できると思うのですが、やる事をやっているにも関わらず症状が改善されていないのが不安です。何か思い当たる改善策があればアドバイスお願いします。それとも何か致命的な問題を抱えている個体なのでしょうか。

Aクランクケースボルトはクランクケースとクランクケースを液体ガスケットでシーリングし、ボルトで固定しています。 メーカーがいうようにクランクケースの左右を締め付ける為のボルトには油道は作っておらず、そこからオイルがもれることは無いというように私も思っていますが分解したクランクケースがございますので近いうちオイルが通る道があるのか検証しましょう。 お持ちになるクランクケースが特別仕様が違わないかぎり検証できるはずです。 今のところの私の見解ではオイル漏れはその部分ではなくほかの箇所。 たまたまサイドスタンドで立てた時、傾いて6のボルトにオイルが集まっているだけ。 オイルリークが少なく走行時に明らかの漏れは発見できず、停止して1日とか、何時間経つと6の下にオイルが溜まるとかと考えたりします。 また、6の継ぎ目の部分のガスケットが薄くボルトの穴を伝って漏れたのならありえる。 でもそれはクランクケースの液体ガスケットをメーカーがケチったのか下手なのか・・・なんて思ったりする。 見てみないと判らないがボルト穴からオイルが漏れるだけならシールガスケットを入れるだけで対処できる。 ボルトショップで販売してます

Q2スズキから連絡があったのですが、ボルトを外したらボルトの頭ーツルツルの部分ーネジの部分のツルツルの部分がオイルで濡れていたとの事。

ボルト自体は貫通してないのですが、kamoさんの言った通りボルトが液ガスの部分を通っているのでそこがガスケットが少なかったか、またはクランクケースに鋳物鬆(す)が入っていてそれがボルトの穴に繋がっている可能性があると。乗ってもう少し漏れている箇所を特定してみる、とりあえずまたクランクを割っての修理はするとの事でした。長く乗りたいと思ったので程度のいい高年式低走行のものをと思って乗り出し50万以上の車両だったので色々不安になりメールしてしまったのですが丁寧な回答ありがとうございました。

今まで見てきたGooseの漏油ヶ所
・オイルタンクの底の継ぎ目・・・ここは液体ガスケットなので劣化や衝撃を切欠にもれることはあるようです。
・オイルクーラーバイパス…大体はオイルクーラを1度社外品に変えているため規定トルクで閉めていないことが原因
・ドレーンボルト…オイル交換時にガスケットを交換していないか掃除が出来ていないかトルクがかかっていないかが原因。 また、転倒でボルトが削れることもある。
・クラッチ(レリースアーム下部のシール部・・・オイルシールが埋まっているカムやキックペダル部の中でも摩擦するため硬くなりやすく本当は10年も乗っていれば交換しておいて良い場所
・シリンダーヘッドカバー接続面・・・頭打ちしていたり、単に液体がスケットの劣化・整備不良で漏れたりする。 早めに直したほうが良い部分。

勘違いしやすいオイル漏れ
エンジンブリーザーか吐き出された蒸気は冷えると水を含んだオイルになる。 350はブリーザータンクである程度冷やされエンジンに戻る。 しかし、250はエンジンブリーザーはエアクリーナーボックスにダイレクトで入るため、縦に組み合わせて作られたエアクリーナーボックスの継ぎ目から真っ黒の埃や汚れを含んだオイルが滴り落ちることがある。
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