ピストンに穴が開いていた事例 


前夜、以前腰上をO/Hしたお客さまから高速道路で「ガタガタガタ」と言う音がして止まってしまった。と聞き、サービスエリアまで迎えに上がり、お客さまの家の近くまでお送りした。

ポルシェO/H中でもあり、PITの整理を午前中行ったため、午後からO/Hを開始すると、プラグを外しただけで異常であることを感じた。 
実は以前腰上をO/Hした時もロッカーアームが片磨耗していた。  同じ事が起きている…。 
昨日、お客さまと原因想定を複数行った1つにウェブワッシャーが割れて脱落しているのでは? という意見があったが、脱落も無く、組み方に以上は見られなかった。
バルブの高さが若干違うように見える?
新品だったカムは削れている。カムギアの組み付けに問題は無い。 (Tマークをあわせて確認してみた。)
ヘッドを外すと排気バルブの1本が折れ、無くなっていた。 クラウン部全体が傷だらけで使い物にならない感じだ。 マフラーからバルブの破片が発見された。
ピストンは穴が開き、コンロッドが灰色だ。 ハンマーも虹色になっている。 腰下が高温になっていたが、 メインジェットが薄かった場合、ピストンは溶けた跡があるのだがそれは見当たらない。 

昨日、オーナーからクラッチを握るとフライホイールが回っている感じだったと聞く。 確かに先回、クランクはこげ茶でコンロッドを引っ張ってもガタはなく、ニュートラルでの回転は問題なかった。 漏油防止のため腰下をO/Hするか確認したものの、私自身も腰下の不良とは疑わなかったので無理に勧めなかった。
以前、ホーニングした筈だがまた同じ位置に縦線が出ている。
オイルは入っているが真っ黒だ。 スラッジは荒いが濁りはほぼ無い。 長い期間で故障に至ったようでないことが判る。

たぶん、腰下に何かあるはずだ。 ピストンも粉々で原因を見つけるのに時間が掛かると判断し、ポルシェともう一台を修理後に解析することとする。
ストックエンジンのタペット調整を行い、オイル量も確認し始動。
inserted by FC2 system