バイク屋さんで「CDIでほぼ間違いないでしょう。」といわれたGooseの修理
(H15.11.30)浜松ミの故障車両を納車したついでにご注文の頂いた350CDIを持っていったのですが、本当にCDIの故障か確信がない以上、見ておく必要を感じ、受渡しだけでなくCDI取り付け後の確認まで行う予定でした。 しかし、正常なCDIを替えてもエンジンはかからず…。(GooseのCDIの故障事例はSBS側でも持っておらず、参考値もあてにならないため、動く車体につけないと壊れているか判定するのが難しいのです。) 
<事情聴取>
・首都高走行中に突然エンジンが止まった。
・走行中油温は60〜70℃くらい
・故障直後のプラグチェック(焼け方に以上もなく、オイルが上がった形跡も無い)
・以前、メールで話したとき、私にステーター異常が考えられるため、テスターで計測するよう話している。
・異常停止後、オーバーフローしていた(私が見たときは問題なかった)

<現状分析>
・CDIを替えても火花が弱い
・給排気系・エンジンはノーマル。 フィルターの腐食も無い。
・エンジンより不圧があるが、プラグが濡れていないし、ガソリンの匂いがしない。(清掃後マニホールドには吸入されている)
・プラグケーブルはスピリットファイヤーケーブル・プラグはCR8EK(新品に交換されていた)

・キャブレターフロートバルブコック部汚れあり、清掃。 各ジェット導通チェック確認:正常(hidekiさんのGooseにつなげ始動確認:良) 故障車に取り付けて始動できず。
<テスターチェック>
・点火コイル及び、ケーブルの抵抗値:正常(hidekiさんのGooseにつなげ始動確認:良)
・バッテリー:ブースター充電、セルに切替、火花を確認したが弱い。
・点火コイルとフレームアースの通チェック0Ω程度にならない。端子を磨いてみたが始動できず。
・交換する予定だった350STDCDI(hidekiさんのGooseにつなげ始動確認:良)
・メインハーネスの導通あり(配線の断線はない)
・ステータ-抵抗値は正常(パルサ:488Ω,ピックアップ:508Ω)
- 計測端子 故障車 正常車
パルサーコイル 白-茶並列(プラグキャップを抜いた状態) AC16.76V AC59V(最大)
ピックアップコイル1 緑-青並列(     〃     ) AC300mV AC312mV
    〃      2 灰-黄並列(     〃     ) AC300mV AC320mV
故障車のパルサーコイル計測でプラグキャップを付けても電圧は変わらず(AC16.76V)
点火の信号が弱いということかな? でも、始動してしまえば…。 正常とは違うようだね。
ちなみに始動時のパルサーコイルの電圧は
アイドリング AC6.9V
アクセルを開けると… 〜AC50V…
結構、流れるんだね。
(H15.12.1)SBSへステーター及びガズケットを注文。 明日届く予定。
(H15.12.2)SBSに注文したステーターとガスケットが届きました。
ステータはマウントに「3111」の文字。 白-茶のピックアップには「2」の文字が印字されています。
ステーター解析・故障事例に新品のテスター値は書いておきます。
32101-47D00 ステーター \21,400-
11483-15D02 ガスケットマグネットカバーNA \650-
09168-06023 ガスケット,5.8×13×1.2(NA) \100-
合計(税抜き) \22,150-
(H15.12.3)マグネット側の磁力が弱くなったのでは? という見解もあったが、磁力が弱いことで理論的同じ状況が作れるだろうが、マグネットの磁力が突然激減するとも考えにくい。(それまで走っていた事を考えると…) まずはステーターを交換してみた。 しかし、0時を過ぎ、近所迷惑も考え、ステーターカバーを取り付け一端作業終了。 本日の夕方(仕事から帰ってから、再始動を試してみる) さて、かかるかな?
ステーター交換後、再度パルサーコイル電圧を計測してみた。
- 計測端子 故障車
パルサーコイル 白-茶並列(プラグキャップを抜いた状態) AC51.0V(最大)
プラグを接続し、火花を見てみるとたしかに火花が力強く、2曲に交互に飛ぶのが見えた。 まず、マグネットの原因は消えた。 点火系は直ったといっていいだろう。 取り付けてあるプラグにつなぎ替え、エンジン始動・・・。

かからない。

18時過ぎてもう外は真っ暗。 油温10度…冷えているなか、チョークを引いてもだめ、バッテリーを充電しなおす。  ガソリンは若干キャブのタンクに残ってないか…

(H15.12.6)夕方に雨が止み、かも号からハイオクガソリンをちょっと拝借! エンジン始動・・・かかったね。 エンジンの方が大丈夫だったと…。 不動時にプラグが濡れなかったのが気になったがかかれば問題ない。 さぁ! また東京だ! 前回、オークリーの革靴(新品)を片方セルフスタンドに置き忘れたので今度は注意しなきゃ!(終了かな?)

(H15.12.7)
朝6時羽田近くのオーナーのお店に到着。 再度エンジン始動。 かからない…。 かも号から抜いた試験用ガソリンタンクのガスが空になっている? 補給し、充電器で電圧を上げようやく始動。 おかしい…。 オーバーフローしていた…。 やっぱり、ガソリンがもれている。 オーバーフローではない。 MJ取り外しボルトかドレーンボルトあたりからどうやら漏れている。 これがプラグが濡れていない理由だったか(愕然:そういえば、11/30は雨で作業場も暗かった。 オイルでも浮けば判ったが気付かなかった)。 壊れているというCDIに交換し始動しました。 やはりCDIではなかった。 バイク屋を確認したがSBSではなく個人でやっているバイク屋さんだった。 抵抗値も正常といえる状態だったので私のようにオーナーの言う状況から考え、今までの故障解析を活かし、ステーターが怪しいと初めから言えるお店はまずないでしょう。(Gooseばかりを見続けている私とオールラウンドに車両を見ているメカニックとの違いですね。 この方には質問されるたびステーターは大丈夫?と聞いていたのですが、結局私がステータを交換する結果に…しかし、おかげで面白いデータがとれました。) バイク屋さんがCDIだと勘違いするのも無理もありません。 SBSでも実質、電装パーツを一通りパーツセンターから取り寄せ順番に交換するのが普通ですから(パーツの返却が出来ない小型店では、まず出来ないです。 嘘ついて両方交換させるケースもあります。 依頼した人は気付きはしないで感謝してたりするけど、無駄遣いかな。 お店に修理をだすなら信頼できるSBSかな。) ガス漏れはオーナー希望があればkamoshopでパーツを出すことに。
結果報告
オーナーが支払った修理費
ステーター・ガスケット(税込み) \23,258-
送料(羽田-名古屋間往復) \10,000-
合計(\1,000-以下切捨て) \33,000-
しまった! 工賃もらい忘れた。(笑) オーナーさん頑張ってるし、Gooseミーティングにも寄れて楽しかったしいいか! そうそう、深夜1号バイパスで初雪とオービスに写真取られている奴を見つけました。 どちらも貴重な経験かな。 箱根の紅葉綺麗だった。 欲を言えば「玉露の里」でお茶お飲みたかったな(多少の心得があります)。庭が綺麗に紅葉し、\500-で抹茶とお茶菓子がいただけます。 忙しい毎日を送られている方、お奨めですよ。 睡眠時間往復4時間程度。 走行距離約500kmさすがに1週間程度に2回はつらいね。
inserted by FC2 system