ホイルベアリングの焼き付き 

事象(H17.10.23)
お客さまのタイヤ交換時にホイルバランサーに乗せたところ、「ゴロゴロ」という音と異音がしたので近いうちにベアリング交換をした方がいいね。 と提案しておいた。
それで交換となったのだが異音があったベアリングはクッコのベアリングプーラーでもアダプターが変形するほど固かったのだ。 焼付いたベアリングはリアスプロケット
マウントとそのマウント側のリアホイルに付いていたものであった。リアブレーキディスク側もフロントホイルベアリングとは比べ物にならないくらい固かったことも付け加えておく。
 中古車で購入してから1度も交換していないということもあるが、一般公道車ではリアホイルとハブが分離して付いており、発進時、制動時、変速時にかかる負荷をゴムの
ハブダンパーとベアリングで吸収している。 静止している時でも常に車重がホイルベアリングにかかっている。 ライトウエイトであるGooseといえども145kgもある訳だから
ベアリングの負担は大きい。 一度も変えていない人はそろそろ変え時なのかもと考えさせられる。

症状
@:乗っている感じでは判らない
A:負荷がかからない状態で空転させる(チェーンやブレーキなどの摩擦がないこと)と異音がする
B:交換したばかりのハブダンパーがすぐに傷む(マウントが簡単に入ってしまうようになる)

引き起こすロス
@フリクションが大きくなる
・スピード低減
・パワーロス
・消耗品の使用限界を縮める(スプロケ、チェーン、アクスルシャフト、ハブダンパー、ブレーキディスクパッド)
・燃費増大

取替え後にはっきり判るスムーズな回転と静かな動き
・お店で変えてもらった人は判らないかもしれないがホイルベアリング交換は体感できる整備です。
 ホイルバランサーが無くても外したホイルにアクスルシャフトを貫通させ、両端を手で持ち、ホイルを回転させれば異音や振動はわかる。 ベアリング交換の事前・事後で行なえば明確に判るはず。

焼付いたベアリングの交換
・ベアリングプーラーではベアリングの仕様幅で接触面が少ないと外れにくくなるのは面接触と点接触の違いが判る方なら理解いただけるだろう。
 焼付いたベアリングは点接触では厳しい。 使用範囲内でも出来るだけ最小使用幅に近いものを選ぶべきだ。
・無理に外そうとすればどんなに良い工具でも壊れかねない焼きついたベアリングだが衝撃を与えてやると抜けやすいようだ。 リアスプロケット
 マウントのベアリングは裏から叩き出した方が確実なことが判った。 焼付いたハブマウントに付いているベアリングのカラーにナットを付けた貫通
 シャフトを差込み、叩き出すとハブマウント側は傷つかず外れることが判った。

ベアリング種類 SUZUKI品番
メーカー 品番 種類 メーカー 品番 種類
フロントホイル ブレーキ側 08143-62037 NSK 6203DU 両面樹脂シール NACHI(不二越) 6203Z 片面メタルシール
メーターギア側 08143-62037 NSK 6203DU 両面樹脂シール NACHI(不二越) 6203Z 片面メタルシール
リアホイール ブレーキ側 08143-62037 NSK 6203DU 両面樹脂シール NACHI(不二越) 6203Z 片面メタルシール
ハブマウント側 08143-62037 NSK 6203DU 両面樹脂シール NACHI(不二越) 6203Z 片面メタルシール
リアスプロケットマウント - 08113-62057 NACHI(不二越) 6205 ラジアルアン-ギュラ玉軸受 NACHI(不二越) 6205 ラジアルアン-ギュラ玉軸受
ホイルベアリングは新旧でシールが変更されている。 両面シールの旧型は重い感じがするが、片面シールの旧型はゴミが入ってしまう傾向がある。
このゴロゴロいうのもそうでないか洗浄して確かめたい。

関連資料リンク

その他ベアリング資料

ホイルベアリングの交換

inserted by FC2 system