高速走行時に感じる不安定さはなぜ?
海外では販売していない説(海外のサイトはあるものの…)を覆す方からメールが届きましたのでお名前以外そのままの文章で使わせていただきます
ニュージーランドに住んでおります。こちらではグース350はGS350と言う名で売られています。半年前に購入しました。
故障と言えるかどうかわかりませんが、ちょっとお尋ねさせてください。 グースの350ccに乗っています。半年ほど前に購入しました。 最高速はメーター読みで160km少々ぐらいだと思うんです。それ以上は下記の原因でトライしたことがありません。加速は怖いほどのものではありませんが、シングルの350で150kmまで一気に達しますので、たいしたものです。昔は2stの中型(SSとRD)に乗っておりましたので、加速感はそれらに劣りますが、150kmまでの到達は明らかに早い、SSとRDは120kmまではすぐでしたが、そこから上はゆっくりとした加速でした。(煙が出ないのがちょっと寂しいです) 140kmぐらいまでなら全く問題ありませんので、それをずっと維持できます。秋〜冬季節ですから、気温は高くはありませんが、たいしたものです。エンジンはかなり暑くなっていますが・・・バイクは20年ぶりに復活したのです。

その当時GSXR400が登場し、すげえーと思った覚えがあります。乗っていたのが当時でもクラシックのカワサキのSS、とTY175でしたから、そんな古いモノとグースは比べられています。
Q1
前置きがながくなりました。問題は・・・・・50km前後から上になると、ハンドルがぶれ始め、危なくって、冷や汗です。維持できません。 このバイクの限界に近いスピードですからちょっとしたバランスのズレでこのようなことが起こってくるのでしょうが、どのような原因が考えられますか? 風圧もかなり掛かっていますので前輪の荷重も変わってきているかもしれません。チャタリングというのでしょうか?

とりあえず、タイヤを換えたら治るかと思い、前後、新品に交換しましたが、状況は+5〜10km上からこの症状が始まる程度に改善されました。が、やはり、一旦ぶれ始めますと、どんどん振幅が大きくなって、そこでアクセルを戻さなければ、転倒するまで、いっちゃうことと思います・ですから、最高速域で走ることができません。

バイクは1万キロほどの走行、初年度登録2000年です、見た目もきれいなもので、乗った感じの足回りもしっとりとしており、全く正常です。普通の速度域、100km辺りなら、手を離しても全然不安なく、真っ直ぐ走ります。小さなカウリングを付けていますが、それは付ける前からではハンドルのぶれの症状は同じように出ていました。すべてノーマルです。日本語で注意書きが書かれていますので、日本仕様と同じモノと思われます。ファイナルデディション型です。

もし解決策、あるいは理由でも分かれば、大変にありがたいと思います。
Q2
それから、フロントブレーキを掛けると、ブミューーと言う感じの音がしますが、これは何か問題があるのでしょうか?ブレーキ自体は問題なく好く効いております。
では、よろしくお願いいたします。
A1これは350に限らず250オーナーでも感じるかもしれませんね。 タイヤを要因と考えない場合でも複数の要因が考えられます。
要因@ホイルの精度:先日、お客さまのフロントホイルの交換をした時、不安定と感じたお客さまホイルは±2mm程度振れがありました。 kamoshopに保管されているGooseのフロントホイルを計測したところ大凡±0.5mm以内には入っている感じでした。  低速で安定しているものの、高速で不安定となる原因の1つです。
要因Aフォークオイルの劣化:10年経過すれば例え倉庫で保管されていたとしても酸化する。 当然動きも悪くなる。 フォークオイルを変えるだけで走りが改善された例は多い。 OH時はスプリングのへたりが無いかも見ておきたい。
要因Bステムベアリングのガタ:フレームとステム(フロントタイヤ)をつなぐ稼動点であるステムベアリングの状態によって舵が渋くなる。 転倒していたり、錆、磨耗などが原因に挙げられる。 しかし、ハンドルの振れの原因につながるこの場合は締め付け(管理値80〜100kgf・cm)具合です。
要因Cフォーク及びアクスルシャフトの曲がり:2mm振れたホイルのアクスルはほとんど針が振れませんでした。(管理値:0.25mm以下) インナーチューブが曲がっていればステムにはめ込んで回転させるとすぐにわかる。
要因Dエンジン駆動部の振動:私は新車購入時に250ccで140km程度出したときにステム周りの不安定さを感じ、ステアリングダンパーを付け対策としていた。(効果は高く、ハンドルのブレはある程度解消できるがこれが根本的な解決策ではない) クランク・バランサー・ミッション他ベアリングのセンターが出せるとボアアップしない350でも180km程度出せることが判っている。(エンジンが壊れた事例もあるので公道で長時間回し続ける事は勧めない) 160km程度では振動が少ない。
要因E車体の軽さ:出足の速いGooseはトルクが高い訳でもない。 バネ上重さが軽いおかげだろう。 さらに車体軽量・ボアアップし、最高速を伸ばしてくるとだんだん接地感が薄れ路面を滑っている感じになる。 それもそこそこの振動があるし、すぐに止まれる感じがしない。 サスもわりと柔らかいセッティングを出し、安定させるもののクランクが折れる心配と駆動部のオイル切れでバルブが折れる心配と止まれるかどうかの心配で最高速などどうでも良くなる。 Gooseは重心が中心にあり、低速ではすべりにくくコーナーでの安定性も高い。意識的にリアが軽く流れる程度だろう。 しかし、高速で滑り始めるとフロントの舵も利かなくなる。(ミッドシップの特徴に似ている) ニュージーランドの道路の感じも通常どこくらいの速度で走られているかも判らないので参考に書いておきます。
要因F車体左右のウエイトバランス:Gooseを上から見て縦に線を引くと右側にマフラーやブレーキなどが片寄る。 エンジンだけを見ると350はマグネット側がウエイトがあるように見える。 左側はチェーン・スプロケ。 車体設計時に当然考えるだろうが…半分に割って重さを比較したわけではないので数値をもって「こうです」とは言えないものの…車体を全部ばらした人には頭の中で上皿天秤がどちらに傾くかわかりますね。 ばらしていない人も創造で… ちなみに左右のバランスを考えマグネットの小さい250ccに特別なレイアウト変更をしている感じは見当たらない。 改良をすすめるにあたって考えていい問題ですね。

思いつくだけ書いてみましたが細かいパーツから掘り下げれば「理論的にこうだ!」といえるものは出てくるでしょう。 いくつかは努力で改善できることですね。
改善
@:エンジンを整備できる人・お金に余裕がありお店に出せる人はベアリングを交換してみてください。 これが1番良い方法です。
A:少しだけならお小遣いがある人はステアリングダンパーを付けてみてください。
B:お金がない人・Gooseパーツが手に入らない地域の人はくるぶしと腿のグリップ方法をいろいろ変えてまず乗車時の安定するポイントを見つけてください。若干モンキースタイルで腰を浮かし、肘・手首・腕に力を入れず全身のバネで振動を吸収してください。 背中は自然な猫背。 腕は多少はっても良いです。 頭は車体を寝かすとき以外フォークの延長上に置き、脳が揺れないように腕のバネで吸収できるようにしてみてください。 ツーリングには向きませんが脳が揺れないことと足元が安定することで余裕ができるはずです。 さらに下腹部脂肪がついたおじさま方に必見! 常にそんな乗り方を行えば腹筋が割れます! さらにたくましい太腿も! 今なら腰痛も付いてきます。(勢いで書いてます。 あまり無理しないようお願いします。 Gooseオーナーも平均年齢オーバー30! 奥さん子供もいて、趣味に理解がないとなかなかステアリングダンパーもクランクOHも無理ですもんね。 立場上危険が伴うライディング方法は書けませんが、ライン取りやライディングの改善でGooseの性能・見方が変わると思いますよ。)
A2フロントブレーキから出る「ブミュー」っという音…音の出る場所によっては気になりますね。 チェックしましょう
停止時
@キャリパー側から音がする:ダストシールとキャリパーの間にゴミ・DOT4の固形物があるかも? 分解してみたい。
Aマスターシリンダーキャップ付近から音がする:DOT4の入れすぎの場合ベロー・マスターシリンダーキャップの裏の空気穴(スロットル側)のあたり具合では「きゅ〜」っと音がする場合がある。
B:レバーを握ると同時に「きゅっきゅきゅ」いう:エア抜き不足・レバーのグリス不足?
走行時
パットの縁がとがっている(面取りしてやるこれはバイクメンテで紹介した方法で)


A3出来るところからやろうと思います。 これさえ解決すればOKなんて思っていたのですが、なかなか複合的な要因なのですね。

閑話休題
私は結構気に入っているのですが、ここではグース350は人気がないようです。中途半端な存在で、外人には車体が小さすぎる(熊のサーカス)、コミューターとしてのバイクの利用がない(だから、中小型の需要がない)と言うような理由からでしょうか。250ccならlearner'sライセンス(初めてのライセンス、仮免許に近いですね)で乗れますから。まだ需要があると思うのですが・・・

下記がこちらのバイク免許の概要です。
http://www.ltsa.govt.nz/licensing/motorcycle/

また、スズキは日本国内用のもので売れ残るとこちらにも持ってきているような気がします。GS1200ssなどもこちらに持ってきています。日本の4メーカーの中では最も小さなニュージーランドに力を入れているがスズキのような印象です。
A3はははぁ。 スズキ店員に確認したいところですね。 きっと答えてくれないものの、見てくれているんでしょう。 調子にのると怒られるので無駄口はたたかないでおきます。しかし、こんなお客さまのお声もあるのですよ。 GS1200ss?! うーん、ノーコメントで・・・ アメリカのライセンスは3段階なんですね! Full licenceで$331.20ですか。 ははは… 好き好んで乗っている人もいるので他車の批判は書けないです。 Gooseも言ってみれば・・・ね。 聞いた話ではGooseはホンダのメカニックのオーナーが何人かいるらしい。(ミーティングでの情報では多いとのこと:定かではない) Gooseがマン島TTから名前を付けたというのにはじめから海外で販売しなかったというなら…あれがあったからか?…まぁ、どこかで話しましょう。
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